[Gear Maniax #048] 道具感のある手触りがイイ!ACEBEAMのL型ヘッドライト
&GP / 2017年10月21日 21時0分
[Gear Maniax #048] 道具感のある手触りがイイ!ACEBEAMのL型ヘッドライト
今回ご紹介するのはACEBEAM「H10A」。よくありがちな、棒状L型のヘッドライト…に見えますが、なかなかどうして、意外な個性派ヘッドランプでした。
外観上はNITECORE H30やOLIGHT H系によく似た、ありがちなライトに見えます。カラーはシルバー&タン。どちらもマットで上品さを感じる色合い。ACEBEAMのシルバー・タンは、艶があるタイプと艶がないタイプがありますが、このH10の場合はいずれも艶なし。マットなカラーです。この業界では艶無しの方が好みという方が多いでしょうね。どちらも上品さを感じる色です。
これまたNITECOREやOLIGHTのものとよく似たバンドが付属します。天頂にもバンドがある3本タイプ。H10Aのボディが長いため、発光部分がどちらかに寄ってしまうのが欠点といえば欠点ですが、もし気になる場合は「利き目」側に寄るようにすると違和感が軽減できます。
L型ライトお約束のクリップも付属。かなりしっかりしたクリップで勝手に外れてしまうことはないと思いますが、逆に着脱で本体に跡が残ります。気にする人は使用しないか、位置をよく検討してから装着してください。
このような仕様では意外と逆位置の方が安定します。最近流行のL型ライトと比較すれば、やはり多少ヘッドが大きいのは否めません。
ボディのチェッカリングはいつもの爬虫類テクスチャーではなく、オーソドックスなサイズのチェッカリングです。回転させるテールキャップは縦溝。どちらも悪くないですね。指がかりの良い手触りです。尖っておらず、手に優しい。無駄にギザギザしているよりは好ましいかとは思います。
外観上まず目を引くのは、深いリフレクターとその奥に鎮座するMT-G2。リフレクターの深さはなかなか。最近のL型ライトはリフレクターの奥に基盤がある構造が多く、スペースの兼ね合いでリフレクターやレンズが浅いものが主流ですので比較として目を引きます。
その底にドーム部分だけが見えているMT-G2が豪快(笑)。通常のライトでは存在する、リフレクターとLEDのドームの隙間がほとんどないため、何やら異様な立体感と一体感を感じます。
このリフレクターとLEDの組み合わせの結果、1mも離れると中心光の存在感は薄まります。例えが難しいのですが、LEDLENSERなどのアドバンスフォーカスのワイドと、SUREFIRE MAXVISIONの中間のような配光です。とにかくワイド。芯がないふわっとした光は、OLIGHT H1などの極小TIRに似た部分もあるかもしれませんが、さらに芯がない感じがします。
5m照射(MED)。かなりワイドな配光。周辺光がわかりにくいのですが、よくある1インチ、XP-Lのライトを同じ位置に置くとこのように映ります。
比較すれば周辺光の広さがわかります。
H10の最大のお楽しみはこちら、MAX2000ルーメン。プッシュスイッチを強く押し、指で押している間だけ使用可能なターボモードです。目の前だけ部屋の電気をつけたかのような明るさと均一性。不思議な感覚さえ受ける明るさと配光です。この大光量を支えるため、背面には深い放熱フィンが切られています。
この造形もマニア心をくすぐります…が、やはり完全に能力不足です。(あ…、やばい…)と確信できる速度で加熱します(笑)。まさにターボモード。素手の場合は指先で危険を察知できますが、グローブ装着時などはあまり引っ張らないよう意識して自制する必要があるかと思います。
光色はニュートラルホワイト。計測上は5000K弱でした。昼光色に近いかな。特にメーカーからは他の光色についてのアナウンスはなく、白色光との説明のみでした。ブランドの味付けなのかな、これまでにレビューした他の機種も同程度のニュートラルホワイトでした。自然で見やすいカラーかとは思いますが、これも好み次第でしょうか。
もう一つH10の特徴的な部分がオペレーション。まず、プッシュスイッチが2ステージタイプ。つまり、弱押しと強押しで違う操作になります。弱の長押しで点灯可能。また、強の長押しでモメンタリなターボモードになります。押している間だけ2000ルーメンを発揮します。点灯中・消灯中を問わず、弱のクリックでは何も起こりません。強の長押しでは単純にターボモードで一瞬点灯するだけ。メインスイッチは基本的に長押しのみでの操作になります。
明るさの調整は、プッシュスイッチの周りのパーツを回転させることで行います。
この部分がロータリースイッチになっていて、Firefly、Low、Med、Highの4モードをイージーに切り替えられます。こういった調光方式は、内部構造は複雑になるものの、操作自体はシンプル。多くの人にとって使い勝手の良いものだと思います。
とはいえ、長押し主体のプッシュ操作、強でのターボモードなどは一般の方には必要とされない機能かなという気もします(笑)。ロータリースイッチのユーザビリティは非常に一般向けだと思いますが、ツーステージスイッチと併用したせいでややマニア向けになってしまった感も否めません。というか、このスイッチシステム、むしろタクティカルフラッシュライトのテールキャップについていたら重宝しそうな気もしますが…。
このシステムと大型のLEDを搭載しているため、H10はライバル機種よりもやや大型です。しかしそれを代償に面白いものを獲得したライト。中国系にありがちな、とにかく明るさを追求しました!すごいでしょ!というコンセプトのライトではなさそう。操作系・モード設定が好みに合うようであれば、使いやすいヘッドライトになるかと思います。(アカリセンター価格:1万1440円)
>> 連載[Gear Maniax]
(文・写真/アカリセンター・HATTA)
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