【前編】LCC Peachの日帰り台湾ツアーで食べまくり! 時々歴史探訪
&GP / 2015年10月24日 18時0分
【前編】LCC Peachの日帰り台湾ツアーで食べまくり! 時々歴史探訪
ふっと空いた休日。ゆっくりするのもいいけど、サッと海外旅行に出かけるのを夢見ている方も多いのではないだろうか。それに最適なプランが登場した。それが関空を中心に国内外にフライトしているPeachだ。
これまでPeachは関空から沖縄や博多、北海道などに飛ぶ路線を用意していた。注目なのが、今年8月より新たにスタートした台北便だ。なんとこの便は、羽田から出発する。このため、いちいち成田空港まで行く必要がない。
羽田から台湾の桃園国際空港絵の就航が決まったPeach。より手軽に台湾に行ける
出発するのは朝5時50分。台湾には現地時間8時40分頃に到着する。そして、翌日0時40分に台湾を出発する便を利用すれば、1日で台湾に行って帰ってくることができるというわけだ。
■本当に日帰りできる「弾丸ツアー」に行ってきた!
羽田台湾便のチケットは7680円から入手することができる。ただし、チケット料金は空席の数によって変動するため、できるだけ早く確保することでより安く台湾旅行ができる。
なかでも注目なのが「弾丸スペシャル」というパッケージ。先に紹介した往路5時50分発、復路翌0時40分発の日帰プランを、往復1万2000円で購入することができるのだ。実はこの「弾丸スペシャル」はもともと10月までの限定販売の予定だったという。しかし、あまりの人気の高さに発売期間を延長。12月18日までサービスを利用することができるようになった。
ただし、週末などは利用できず、利用できるのは月~木出発(翌日帰国)のプランのみ。10月中旬時点で調べてみたところ、11月初旬のチケットが予約できたので、1カ月弱先なら、押さえられそうだ。なお、この「弾丸スペシャル」のチケットはモバイルサイトとコンタクトセンターのみでの販売となっており、PC用サイトからは予約できなかった。(モバイルサイト http://mobile.flypeach.com/sp/jp/book.aspx)
持って行くのは予約を記したプリントとパスポートのみと手軽
さて、予約が完了すると、Peachからメールが届く。そこに予約の詳細を記したチェックイン用バーコードが記されているので、それをプリントアウトしていこう。究極的には、このプリントと、パスポート、そして必要なお金だけを持って行けば台湾旅行は楽しめる。0泊2日なので、当然着替えも不要。
筆者は当日、普段使いのカバンひとつ。そこにいつも国内の取材に行くときと同じ、パソコンやカメラだけを入れた状態で羽田に向かった。
■早朝の羽田行きがひとつの関門
このPeachの台湾便の最大の関門といえるのが、早朝のチェックインだ。出発が5時50分で、Peachでは遅くとも50分前にはチェックインをするようにアナウンスされている。基本的にLCCはチェックインには厳しいので、遅れると本当に乗れないこともある。できれば4時半前にはチェックインをすませておきたい。
しかし、4時半に羽田空港に到着する電車はない。選択肢として用意されているのは自家用車で羽田空港に行く、主要駅から出ているリムジンバスを使っていく、そして最後が終電で羽田空港に行き、出発を待つという方法だ。
早朝に到着するリムジンバスは東京駅や横浜駅などから出発している。アクセスしやすい人は、リムジンバスを使うといいだろう。筆者は東京郊外在住で、残念ながらリムジンバスがお得に使えるエリアではなかったので、自家用車で向かった。
3時過ぎに出発し、4時過ぎに羽田空港に到着。空港の駐車場にクルマを停めてターミナルに向かう。羽田空港国際線ターミナルは早朝にもかかわらず、非常に多くの人がいた。Peachに限らず、始発前にフライトする早朝便が数多く登場しており、終電で羽田空港に来た方々がベンチで寝ている姿が散見された。単身ならこの方法もひとつの手だといえるだろう。
早朝4時台の羽田空港の出発ロビー。薄暗いが多くの人が、早朝便の出発を待っている
出発ロビーに到着したら、早速チェックインを行う。バーコードを記したプリントとパスポートを見せるだけで、非常にスムーズ。今回は0泊ということで預け入れ荷物もなかった。ちなみにPeachで荷物を預けるのにひとつ2600円かかる。これは予約時に依頼した場合のみで、カウンターで預けるとプラス1080円かかるため、荷物を預けたい場合は事前に申し込んでおきたい。なお、機内持ち込み手荷物は10kgまでに制限されているため、お土産が増える帰りの便のことを考えて、予約しておくのも手だ。
チェックインが終わったら、手荷物検査、出国カウンターを抜けて、出発ゲートに向かう。このあたりは通常のエアと全く変わりはない。指定されたゲートで搭乗の指示を待とう。
出発ロビーで待機。窓際の席から順番に呼ばれるので通路側の著者は最後に搭乗した
時間になるとアナウンスがあり、搭乗がスタートする。Peachでは駐機時間を短縮するため、窓際から順番に搭乗するように促された。
シートは大手航空会社と比べると若干手狭ではあるが、我慢できないレベルではい。リクライニングもそれほど倒れないがリラックスはできる。個人的にはハワイなど6時間コースはつらいが、台湾の約3時間半なら、問題ないと思えた。しかも、このフライトは早朝&深夜なので往復ともほとんど寝ていたというのが正直なところだ。
シートは一般的な旅客機と比べると狭め。左右に3席ずつのレイアウトだ
身長170cm弱の著者でおしりをフィットさせるとこれぐらいのスペースが空いた。背が高い人は若干つらいかも
機内サービスはLCCのため最小限。食事はもちろん、ドリンクサービスもなく有料となる。今回は台湾で食べまくるつもりだったので頼まなかったが、就航している各都市に合わせたメニューもあり、なかなかにおいしそうだ。ちなみに客室乗務員さんに確認したところ、「焼肉たむらのお肉が入ったカレーパン」が一番人気だという。
沖縄路線や宮崎路線があるため、そんなメニューが多い模様。ジャーサラダなどトレンドもばっちり押さえている
一番人気のカレーパン。食べてみたかったが、今回は我慢
5時50分に搭乗したあと、羽田空港でしばらくの離陸待ちがあり、フライト。水平飛行に入って2時間もしないうちに台北に到着する。Peachの座席にはモニターなどがないため、一応タブレットに動画を保存したり、電子書籍を用意してきたのだがそれを楽しむ間もなく、軽い仮眠をとったらすぐに到着だった。
今回搭乗した便でサービスを行っていたCAの皆さん。ちょっとした質問にも素早く答えていただくなど、しっかりとしたサービスが受けられた
桃園国際空港に到着したら、ルートに従って歩き、イミグレーションを通過する。このとき入国用のカードを記載するのだが、当然0泊なのでホテル欄は空白で提出する。
筆者の場合、入国管理官からホテルは? と聞かれたので0泊だと伝えたところ、帰りの便を聞かれた。指示に従って予約のプリントを見せると、笑いながらホテル欄に帰りの便名を記載してくれた。日帰り弾丸ツアーを利用する場合、事前に帰りの便名と時間を記載しておくとスムーズだろう。
イミグレーションが済むと預け入れ荷物の受取場があり、そして台湾国内へと入国する。空港のロビーでは、換金カウンターがあるほか、台湾のSIMが購入できるキャリアのカウンターがある。SIMロックフリー端末がある場合はここでSIMを購入するとお得にデータ通信や通話ができる。
荷物を受け取ってドアを出たら右手側にSIMカウンターがある。価格は3キャリアともほとんど同じ
今回は、台湾モバイルのSIMを購入した。4Gが3日間使い放題で、100元分の通話料もついて費用は300元(約1200円)。実質1日しか使わないとはいえ、日本のキャリアのローミング(2980円)と比べても半額以下に抑えられる。SIMの調達ができたら、台北に移動しよう。
■台北市内でうまい台湾飯を食べまくろう!
桃園国際空港は、台北から車で約1時間ほど離れた郊外に位置している。このため、台北市内へはタクシーかリムジンバスを使って移動することになる。タクシー料金はおおむね、1000元(4000円)程度とのことなので、複数でいく場合はタクシー移動でもいいだろう。筆者の場合一人だったのと、荷物もないのでリムジンバスを利用することとした。
空港からワンフロア降りるとリムジンバスのターミナルがあり、会社ごとにカウンターがある
使うのは大有巴士というバス会社の1960路線だ。このバスに乗ると、台北の観光地の一つ、Taipei101に近いグランドハイアット台北に行くことができる。もちろん、このほか、台北駅に行くバスなどもあるので、目的地次第でバスを選ぶといいだろう。グランドハイアットまでは145元(約580円)だ。
1960路線のバスは約30分に1本のペースで出発していた。筆者はSIMの購入や、空港の撮影などでちょっと手間取ってしまったので、1本乗り過ごし、桃園国際空港発が10時5分とちょっと遅くなってしまった。スムーズにいけば、9時30分発のバスに乗れるはずだ。
グランドハイアットに向かう1960路線のバスに乗る
バスに乗ったらしばらくは風景を見て過ごすといい。ホテルまでの時間は約1時間。さらに前半の40分はほぼ高速道路を走行する。リムジンバスはきちんと英語でホテル名のアナウンスがあるので、降りる場所を間違えにくいのもポイントだ。
1時間ほどでホテルに到着。英語アナウンスがあるので聞き間違えないように
到着したグランドハイアット台北は、台湾の幕張メッセのような展示会場と隣接しており、またその隣には、アジアトップクラスの509.2mという高さを誇る高層タワー、TAIPEI 101もあり、一大商業エリアとなっている。
そこで最初に向かったのが、TAIPEI 101の地下にある、「鼎泰豐(ディンダイフォン)」だ。この店は台湾を代表する小籠包の名店。台北市内にも数件あるが、バスでのアクセスならここが最も訪れやすい。お店に到着したのは11時半頃だったがその時点で約15分待ちというアナウンス。レジで予約番号をもらい、店の前で待機する。20分ほどで店内に案内された。
小籠包の名店「鼎泰豐」に到着。ここも旅の目的になる得るレベルのお店
いろいろなメニューを楽しむ上で大切なのは、できるだけお腹にたまる炭水化物を食べないことだ。そう思っていたのだが、前日の夜ご飯から12時間以上何も食べていなかったこともあり、思わず2種類の小籠包に加えて、もち米入りのシュウマイも頼んでしまった。非常においしいのだが、ひとりで食べるにはちょっとボリュームが多すぎた。
かに味噌入り小籠包などをひとりで食べる。なんて贅沢なんでしょう
小籠包はスープがジューシーでさすがのうまさ。通常の小籠包のあとはかに味噌入り小籠包も一瞬で平らげてしまった。「鼎泰豐」は日本にも店舗があるが、台湾なら半額近い金額で食べられるのがうれしい。ちなみに普通の小籠包は5個入って100元(約400円)と日本の店舗の価格(税込843円)と比べて半額以下だ。小籠包2種類、シューマイ、そしてニガウリの前菜を含めて550元(約2200円)だった。
鼎泰豐でお腹を満たしたので、食事はちょっと休憩。本当はここで、TAIPEおI 101の89階にある展望台に登るつもりだったのだが、残念ながらこの日は小雨交じりの曇り。地上から見た時点で、TAIPEI 101の頂上が雲に隠れており、これは登っても何も見えないことを意味していた。今回もTAIPEI 101に登るのは断念した。
市政府駅近くにできた「ICE MONSTER」が空いていて狙い目
そこで台北行きの最大の目的のひとつである、マンゴーかき氷を食べに行くことにした。TAIPEI 101からは徒歩で数軒のかき氷店にいくことができる。今回行ったのが原宿にもオープンした超有名店「ICE MONSTER」だ。ここでは単なるかき氷ではなく、マンゴージュースを凍らせて削った、フレーバー氷のかき氷が楽しめる名店だ。
本店は、MRT(地下鉄)の国父記念館駅近くにあるのだが、ここは大行列することが多い。昨年6月に訪れたときは1時間近く待たされることもあったのだ。しかし、今年、TAIPEI 101からも歩ける、MRT市政府駅そばの商業ビル「微風松高」の中に支店がオープンしたのだ。10月に入った平日でしかも曇りの日ということで、この日は行列もなくスムーズに入店することができた。
たっぷりのフレーバー氷は口に入れるとさらっと溶ける。マンゴーアイスやマンゴーの果肉も満喫できる。至福の一品
頼んだのはマンゴーかき氷(MANGO SENSATION)で220元(約880円)。フレーバー氷の下には、マンゴーの果肉もたっぷり敷いてあり、ひとりで食べるにはちょっ多いほどだった。しかし、ふわふわの氷と冷たく甘いマンゴ-は「台湾に来た」と改めて体感させてくれる味。30分ほどかけてゆっくりと堪能させてもらった。これも日本の価格(1500円)の約半額で楽しめた。
この市政府駅周辺は高級デパートが密集しているエリア。このため、ちょっとしたお土産を探すのにも適している。過去にも知人がここで茶葉を買っていたこともある。今回は妻の依頼により、台湾で作られているという石けんを買って帰った。これも日本で購入するより、2、3割安いという。
MRTに乗るなら、ICカードを作ろう。100元がデポジットとして必要。日帰りならプラス100元あれば十分だ
かき氷とお土産物探しでちょっと胃袋も落ち着いたので、もう一軒、台湾に来たら欠かせない店に向かおう。市政府駅からMRTに乗って1度乗り換えをして松江南京駅で降りる。このあたりはいわゆるオフィス街で大通りには大きな銀行や企業がなどが軒を連ねている。しかし、裏通りに入ると、昔ながらの屋台や庶民的なお店が並んでいるのだ。
松江南京駅の名店「富覇王豬脚極品餐庁」はいつも行列。お弁当の列と店内の列があるので見極めて、店に突入しよう
筆者がこの数年、台北で必ず行くのが「富覇王豬脚極品餐庁」だ。台湾では「猪」と書くが実際には、豚足だ。とはいえ、日本のようなつま先だけではなく、メニューにはつま先、脛、もも肉があり、それぞれの食感の違いが楽しめる。このときは店に着いた時点で、3時を回っていたので、残念ながら太ももはすでに売り切れだった。
とろっとろに煮込まれた豚足は全く脂っこくなく、さらっとかき込める
行列に並んで、豚足(つま先)とご飯、青物を注文。濃厚でぷるんぷるんの豚足をご飯にのせてかっ込んでいく。極私的最高の台湾飯だ。ちなみに今回は複数の店を一日で食べ歩く予定があったためかなり遠慮しているが、台湾に複数日滞在する日は魯肉飯や煮卵、細切りタケノコなどの副菜も楽しんでいる。初めて行くときは是非、これらも食べてみて欲しい。
ここまで来て、さすがに胃袋も厳しくなってきた。箸休めを兼ねて、台湾で中国の歴史を探訪してみよう。
【後半に続く】
(取材・文/コヤマタカヒロ)
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