個性派デザインがグッとくる!「DS 3クロスバック」は雰囲気、走り、安全性のすべてが一級品

&GP / 2019年9月16日 19時0分

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個性派デザインがグッとくる!「DS 3クロスバック」は雰囲気、走り、安全性のすべてが一級品

フランスの高級車ブランドDSから、世界的に人気のコンパクトクロスオーバーSUV「DS 3クロスバック」が登場。早速、東京の街中で試乗するチャンスを得た。

他の何物にも似ていないそのルックスに目が向く個性派だが、新世代のプラットフォームや最新フェーズの安全装備を搭載した意欲作でもある。果たして、どんな魅力を備えたクルマなのだろうか?

■DSはシトロエンから派生した高級車ブランド

DS 3クロスバックの魅力をお伝えする前に、改めてDSブランドについておさらいしておこう。

日本でDSというカーブランドのことを知っているのは、まだクルマ好きに限られるかもしれない。同ブランドの正式名称はDSオートモビルズ。プジョーやシトロエンと同じフランスのPSAグループに属し、2009年に発足。当初は、シトロエンの上級サブブランドという立ち位置だったが、2014年にひとつのカーブランドとして独立した。DSはPSAグループで最もプレミアムなブランドであり、かつてシトロエンと併売されていた販売店も、今では独自化が進んでいる。

DSは独立以降、それまでシトロエンの「DS 3」、「DS 4」、「DS 5」と名乗っていたモデルを、マイナーチェンジのタイミングでDSブランドのモデルへと刷新。特にデザイン面において、DSならではの個性を盛り込んだ。

そんなDSが、独立後、初めてゼロから手掛けたモデルが「DS 7クロスバック」。基本的なメカニズムこそ、プジョー「3008」と共用するが、雰囲気は全くの別物。フランス人ならではの、シンプルで合理的な発想を強調したかのような3008から一転、DS 7クロスバックのきらびやかな内装は、まさに“キラキラ”といった表現がふさわしい仕立てとなっている。

インテリアには、随所にダイヤモンドのカットを連想させる菱形をモチーフとした装飾をあしらい、ヘッドライトには、ドアのロック/アンロック時に内部がクルクルと回転するミラーボールのような仕掛けも組み込まれる。一見、過剰にも思えるこうしたデザインや装飾こそが、新生DSならではの個性といえるだろう。

■日本の都市部にちょうどいいボディサイズ

ここに紹介する「DS 3クロスバック」は、そんなDSブランドがゼロから手掛けたモデルの第2弾。DS 7クロスバックと同じく“キラキラ路線”を踏襲するが、サイズはグッと小さくなり、全長は4120mmというコンパクトサイズ。現在、世界的に流行しているプレミアムコンパクトクロスオーバーSUVに属し、セールス面ではアウディの「Q2」などをライバル視している。

DS 3クロスバックの全幅は、コンパクトクロスオーバーSUVの人気モデルであるトヨタ「C-HR」より5mm狭い1790mm。そして全高は、一般的な機械式立体駐車場にも入庫可能な1550mmとしている。マンションなどの集合住宅に住む都会のユーザーでも、気兼ねなく乗れるサイズといえるだろう。

一方、最低地上高は185mmと、SUVらしくしっかりとした数値を確保。参考までに、C-HRの最低地上高は4WD車でも155mm(FFモデルは140mm)であり、アウディのQ2は180mmである。ゆとりの最低地上高を確保したDS 3クロスバックなら、ウインターレジャーでスキー場などへ出掛ける際も、安心してドライブできるだろう。

エクステリアデザインは、いい意味でも悪い意味でも、DSブランドらしい仕立て。メッシュ状のフロントグリル、ラメが多めのアイメイクを施したかのようなヘッドライト、ステッチをイメージしたというフロントバンパー左右端の縦型デイタイムライニングライト、そして、ドアの開閉時だけ電動でせり出てくるドアハンドルなど、他のモデルでは味わえない、きらびやかな雰囲気が漂う。

ブランドというのは、一朝一夕で地位を確立できるものではないが、生まれたばかりのDSを選んでもらい、ファンを増やすにはどうすればいいのか? その手段としてDSが選んだのが、宝石箱のようにきらびやかなデザインだった。もちろん、意匠だけでなく、クロームの輝きやパーツに触れた時のタッチなど、細かい部分のフィニッシングも、プレミアムブランドと呼ぶにふさわしいレベルにある。

さらに「グランシック」と「ソーシック」の両グレードに用意されるインテリアトリム“バスチーユ”は、ダッシュボードやドアトリムにレザーを貼るなど、クラスを超えた仕上げ。また、グランシックのレザーシートは、表皮に“菱形”のモチーフをあしらっていて、非常に凝った仕立てとなる。

そのほかセンターコンソールには、高級腕時計の文字盤などに見られる、パリの精緻な伝統文様“クル・ド・パリ”を刻むなど、まさにDSでしか作れない小さな高級車の姿というものが、このクルマには凝縮している。

■プレミアムカーらしく先進安全装備が充実

とはいえ、きらびやかなデザインと上質な仕立てだけでプレミアムカーを名乗れるほど、昨今の自動車業界は甘くない。特に5年ほど前からは、先進安全装備や運転支援システムの充実ぶりに対し、ユーザーの目がより厳しくなっている。

こうした分野において、かつてのフランス車は出遅れていた感があったが、新しいDS 3クロスバックはそのスペックを見る限り、ドイツ勢や日本車にも見劣りしないレベルにある。

グランシックとソーシックに搭載される自動ブレーキは、走行中の車両などに対して約140km/hまで作動。自転車や停止車両であっても約80km/hまでなら反応する。また、約60km/h未満であれば歩行者も検知可能だ。

さらに、高速道路において、ドライバーがアクセルやブレーキを操作しなくても、前走車に合わせて適切な車間距離を保ちながらスピードを自動調整するアダプティブクルーズコントロールは、完全停止や停止保持も行うトラフィックジャムアシスト機能付きを採用。コンパクトカーとしてはかなり進化したタイプといえる。

DS 3クロスバックはこのほか、車線をトレースするようにハンドル操作をアシストする機能も備えているが、ドライバーの操作に応じ、車線の中央だけでなく、右寄りや左寄りといったポジションを選べる独自のアイデアが組み込まれているのは、とてもユニークだ(グランシックに標準装備。ソーシックはパッケージオプション)。

■新プラットフォームの効果で乗り心地は快適

DS 3クロスバックで注目すべき点は、デザインや安全装備にとどまらない。実はこのクルマ、“CMP”と呼ばれる新開発のプラットフォームをPSAグループで初めて採用。CMPは今後、PSAグループのすべてのコンパクトカーに使われる予定で、走りの面においては、DS 3クロスバックの仕上がりが、今後登場するプジョー「208」やシトロエン「C3」といった主力モデルの将来を占うことにもなる。

結論からいえば、その乗り味は明るい未来を感じさせるものだった。旧世代プラットフォームを使う現行のシトロエン「C3」と比べ、圧倒的に乗り心地が良い。特に好印象だったのが、段差を超えた時や路面の凹凸を乗り越える際に車体へと伝わる、衝撃のいなし方。しっかりとショックを緩和し、乗員には快適な乗り心地を提供してくれるのだ。

エンジンは1.2リッターの3気筒だが、ターボチャージャーのサポートによって最高出力130psを発生。最大トルクも2リッターの自然吸気エンジンに匹敵する約23.5kgf-mと十分で、力不足は全く感じない。3気筒エンジンで気になる振動も上手に抑え込まれていて、それであることを意識させるのは、アクセルペダルを深く踏み込んだ際に耳に届く音くらいである。

組み合わせるトランスミッションは、8速AT。ロックアップ領域が広いため、まるでMT車のように、アクセル操作に対して車速がリニアに伸びていくのが好印象だった。

DS 3クロスバックというクルマは、凝ったデザインと独特の雰囲気が最大の個性であることは間違いない。けれど、走りに対して一家言持つユーザーも必ず満足できる、優れた性能の持ち主でもある。デザインにほれて選んでも、きっと後悔することはないだろう。

<SPECIFICATIONS>
☆グランシック
ボディサイズ:L4120×W1790×H1550mm
車重:1280kg
駆動方式:FF
エンジン:1199cc 直列3気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:130馬力/5500回転
最大トルク:約23.5kgf-m/1750回転
価格:404万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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