「サケを獲ることは先住民族の権利」アイヌ民族の先住権の確認求める裁判 原告側の請求を棄却 札幌地裁
HTB北海道ニュース / 2024年4月18日 18時14分
北海道・浦幌町のアイヌ民族の団体が川でサケを獲ることは先住民族の権利だとして国などを訴えていた裁判。先住権の確認を求める訴訟は全国初でしたが、札幌地裁は原告の訴えを退けました。
井口七海記者)
「原告団が、今札幌地裁に入っていきます。提訴からおよそ3年半、司法の判断がこの後下されます」。
アイヌの人たちにとって、サケは神が宿る生き物であり主食となる特別な魚です。昔はサケを自由に獲って暮らしていましたが、現在、川で許可なくサケを獲ることは水産資源保護法で禁止されています。
ラポロアイヌネイション長根弘喜さん)
「自分達の手で堂々とサケを捕獲したい」
原告は浦幌町に住むアイヌ民族の団体「ラポロアイヌネイション」。川でのサケの捕獲はアイヌ民族の「先住権」にあたり、法などで禁止されないとして国と道を訴えました。
先住権とはその土地に住む先住民族が暮らしてきた場所や慣習に対する権利で、海外では、先住民が狩りなどを行う権利を保障している国も少なくありません。今回、原告らが求めているのは浦幌十勝川河口での自由なサケ漁です。
ラポロアイヌネイション差間正樹さん)
「私たちは先祖と同じようにここで漁業をやる権利があるんだよと」。
訴状によりますと原告らの先祖はこの流域でサケ漁を行ってきましたが、和人による北海道開拓の過程でサケ漁が禁止されたとしています。一方、被告の国などは「法制度上の根拠が無い」として訴えの棄却を求めています。先住権は認められるのか。注目が集まった18日の判決。
札幌地裁の小野瀬昭裁判長は「固有の財産権として排他的に漁業を営む権利を有すると認めるのは困難」とする判決を読み上げ、原告側の請求を棄却しました。
ラポロアイヌネイション差間啓全さん)
「率直に言ってこの判決は私は不服に思います。これからも裁判は続きますが、こんな判決で私たちの気持ちは覆ることはありません」。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
アイヌ民族の川での自由な“サケ漁”認めず 原告は「先住権」主張も「アイヌの伝統を踏まえても河川は公共物」 札幌地裁
北海道放送 / 2024年4月18日 19時26分
-
注目・国内初アイヌ民族先住権訴訟…原告訴え退ける サケ捕獲…札幌地裁の判断をより詳しく解説
STVニュース北海道 / 2024年4月18日 18時43分
-
札幌地裁判決 アイヌ先住権訴訟 原告の訴え棄却
テレビ北海道 / 2024年4月18日 17時14分
-
サケをとる…日本初“先住権確認”裁判は原告の請求棄却…札幌地裁の判断を詳しく伝える
STVニュース北海道 / 2024年4月18日 16時25分
-
“先住権”に基づきサケ漁を自由に行う権利を求める裁判 アイヌ民族の団体の請求を棄却「伝統を踏まえても、河川は公共物」札幌地裁
北海道放送 / 2024年4月18日 14時40分
ランキング
-
1「大阪市は本気で万博を開催する気があるのか」渦巻く懸念 市内路上での禁煙決定も喫煙所設置は民間にカネをばら撒くテンヤワンヤ
NEWSポストセブン / 2024年5月1日 11時15分
-
2「起きたら体中に破片」 事故直後の車内…乗客が撮影 GW中盤、バス事故相次ぐ
日テレNEWS NNN / 2024年4月30日 21時17分
-
3能登半島地震の1次避難所、集約や閉鎖で最大時の3割に…専門家「無理に急げば避難者に負担」
読売新聞 / 2024年4月30日 23時30分
-
4出会い系サイトの女から投資話 暗号資産130万円分をだまし取られる 北海道・函館市
STVニュース北海道 / 2024年5月1日 7時26分
-
5「道に迷ったかもしれない」妻への電話を最後に…日本コバ登山中に遭難か 70歳の男性 が死亡 誤って転落した可能性
MBSニュース / 2024年5月1日 10時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください