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話したいなら、聴くことでコミュニケーションがうまく行く/内藤  由貴子

INSIGHT NOW! / 2017年11月26日 10時41分

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内藤  由貴子 /

◆コミュニケーションをどうとらえていますか

コミュニケーションをどうとらえていますか?

仕事なら、必要なことをきちんと誤解なく伝えられる、
日常では、言いたいことが言える、断りたいときにノーと言える。

それが、コミュニケーションの能力と考えている人は多いようです。

だから、言いたいことが言えないし、断りにくい人にとって、
コミュニケーションが苦手だと考えてしまいがちです。

このように考えると、コミュニケーションは、話すことによって、自分が何をどのように伝えるかに焦点が当たっています。

でも、コミュニケーションは、当たり前のことですが、
一人では成り立ちません。必ず相手が存在します。

相手のことをもっと理解しながらコミュニケーションをするとどうなるのか?

先にお伝えすると、その人を見る目が変わるだけでなく、
おそらく自分の世界ももっとクリアになる…

そんな体験になります。

それがうまく行くと、相手を肯定できることはもちろんですが、
自分のことも肯定できるようになります。

ここで、相手を理解するための、コミュニケーションについて考えてみましょう。
実は、カウンセリングスキルの応用でもあります。

◆ 聴いてもらいましょう 聴きましょう

難しく考えずとりあえず、相手に自分が話すことを聴いてもらいましょう。
そして、相手はいったん聞いた自分の話を受け取って、何かを言うでしょう。

それをちゃん聴くと、相手が自分の話をどう理解したかがわかります。

そして、自分の表現したことが、相手を通して返ってくるその瞬間、
自分が表現したかったことが、別の視点で見えてくる。そんな風に感じられる体験が起こります。

相手が思わぬ反応を示すからです。例えば、称賛する、真逆の視点を示す、矛盾を指摘する、
同じテーマで自分はこう思うという意見など。

「思っていなかった形で、相手は自分の情報をキャッチするのだな」と思うかもしれません。

そして、いずれの場合も、自分に返ってきたものについて「よく聴いて」、あなたはまた何か応答するでしょう。

相手の反応によって、思わぬ自分の考えを引き出されたり、相手の理解を通ったことで、核反応のような閃きも起こり得ます。 
たとえ否定的な意見でも、反発せずに聴いてみます。相手もあなたの言うことをよく聴いた結果、言ってくれたことですから。すると思いがけないことに気づく機会になるかもしれません。

そんな応答を繰り返すうちに、自分が表現したいことが、よりクリアになってくる。
同時に、そういう反応をする相手の世界が見えてくる。
そんな体験をくれるコミュニケーションによって、自分が変わっていきます。

例えば、こんな会話です。二人の女性が、次の週末、それぞれ旅行に行くといっています。

 A美「私、今度の週末、京都に旅行に行くの」

 B子「あら、京都?いいわね。でも、もう紅葉は終わりでしょ。もう年末も近いのに…」

 A美「うん、あえて紅葉の時期は混むから避けているの…。そろそろ混雑も落ち着くでしょう?」

 B子「何か理由がありそうね?」

 A美「だって、私は仏像に会いに行くの。紅葉の時期は、混んでいて、仏像とゆっくり語り合うような鑑賞は難しいから。」

 B子「仏像と語る?!A美にそんな哲学的な趣味があるとは知らなかった…。あ、私もね、語りに行くようなものかな。」

 A美「そう言えば、あなたは、週末、伊豆に行くんだっけ?もうオフシーズンでしょう…?」

 B子「うん。伊豆でね、海を前にすわって、波の音に耳を澄ませるのが好きだから。
 波の音を聴きながらね、ゆっくり深呼吸すると、とてもリラックスできるの。瞑想するみたいに。
 それには、空気が澄んで人がいないこのシーズンが最高だから。
 『ああ、なんだか本当の自分に還れるなぁ。自分大丈夫だね』って、いつの間にか心の中で対話し ているのよ。」

 A美「へぇ、意外に詩人なのね。お互いに行く所は違うけど、自分の心の声を聴いて、自分の内面を整理しているわけね。
 年末までに、これをしておかないとね。でしょう?」

 B子「そうそう。今の時期にやって、今年のモヤモヤをスッキリさせておくのよね。それ、私に とっては、自然からもらえるものですることが大切なの。
 私、あなたが仏像と語る理由にも興味あるな。」

 A美「うん、私はね、仏像が長い年月の間、…」

というように互いに相手の世界に寄り添って聴き、自分の世界を語り、互いの世界を理解し、似ている所もあるけれど、互いに違う自分に気づいていきます。

これもB子が「何か理由がありそうね?」と相手の旅に何かあると興味を示したからにほかなりません。そんな風に相手の世界に寄り添おうとしたら。A子も「よくぞ尋ねてくれました」とばかりに話し始めました。

これは、カウンセリグでの聴き方でもあります。
カウンセラーは、相手が表向きに表現する言葉の奥に、本当に言いたいことがあるのでは?
と、常に意識して聴くからです。


これが 相手を理解せずに自分で勝手に想像して何かを言うと、次のような会話になってしまいます。

 A美「私、今度の週末、京都に行くの」

 B子「そうなんだ。私は伊豆なの。でも、もう京都の紅葉は、遅いでしょう?
 そっか、京都のこの時期ならの美味しいものがあるものね。湯豆腐とか?楽しんでね。」

 A美「え?ええ、まぁ…。あなたが行く伊豆は、温泉?もう冬だしね。湯冷めなんかして風邪なん かひかないでね」

 なんて会話はありがちですが、お互いに気遣っているようで、相手の世界の理解に全く届いていません。これでは、相手が持つ深い世界に気づけません。


◆ 互いの世界を理解するコミュニケーションが、自分を成長させる

先に挙げた会話の例のように、良く聴くことはお互いの理解になり、思いやり、愛になっています。
自分のことを理解してもらえることほど、思いやりや愛を感じられることはありません。

さらに、自分にも愛をもたらすことになります。
尋ねたB子自身も、なぜこの時期に伊豆に行くのかの答えを対話の中で語らせてもらい、再確認しています。自分への理解もまた、自分への愛になります。
結果として、人とは違う自分の世界がクリアになり、より肯定的に自分を受け止めています。

こんな風に、お互いの世界を語り理解することが、自分の世界をより認識し、成長にもつながれば
仕事でも、会社の同僚はもちろん、部下や上司も、違った関係になりそうです。

「そんなの忙しい仕事で、いちいちやっていられないよ」
と言われるかもしれません。

でも、もしも相手の言葉に何か違和感が混ざったら、
「この人はこんな風に言っているけれど、本当は何が言いたいのだろう?」と ちょっとだけ、思ってみてください。人は、NoなのにYesと言うようなことはザラにありますから。

そして尋ねるなら、What や How を頭におくと尋ねやすいです。

例に挙げたB子も、「何か(What)理由がありそうね?」と聞いています。
手っ取り早く言えば、「Why なぜ」ですが、この言葉、下手に使うと上から目線になりがちですからご注意を。

「なぜ、あなたは京都なの?」と言うと、「悪い?」「別に」という答えになりかねません。

仕事なら企画書が締め切り日に間に合わない部下に、
「なぜ、締切に間に合わないんだ?」と言えば、部下は、弁明に必死になるでしょう。

「どうやったら(How)速く企画書をアップできる?何か(What)必要なことはあるか?」
なら、「実は〇〇の資料がもう少しあると…」のような本質的な解決になるかもしれません。また、より大きな可能性を目指している部下の成長に気づけるかもしれません。部下の成長は、上司の可能性も広げます。

腹を探るのではなく、相手への理解という「愛」をもって聴き、尋ねる。愛なんてちょっとした理解なのです。

それを少し心がけるだけで、ずいぶん相手が発する言葉も変わりそうです。
結果として、相手の未知の世界、そして潜在的な自分も引き出されて自分の世界も広がります。

そんな関係性によって磨かれる自分こそ、本当の自分です。

さて、コミュニケーションが困難と感じる場合、何らかの感情のブロックが隠れていることは多いですし、私の専門であるフラワーフォトセラピーは、その分析と解消を最も得意としています。

今回はあえてそれには触れませんでしたが、私が代表の協会でとても重視していることです。

自分が磨かれるコミュニケーション、どうぞお試しください。

*写真は「愛しあう喜び」というタイトルですが、カラーセラピーでは、ブルーはコミュニケーションを表す色と言われます。 互いに理解と言う愛をもって語り合い。ぜひ喜びにつなげてください。。


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