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「怪しげなアプリ」も今や昔 ペアーズが「自治体の少子化対策」になるまで

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月26日 16時20分

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エウレカ 代表取締役CEO 山本竜馬氏

 国内のマッチングアプリで利用率No.1を誇る「ペアーズ」。2021年の調査では、過去1年で結婚した人の19%がマッチングアプリ/サイトがきっかけだという。ペアーズ単体でも7%に上っている。

 ペアーズは9月1日から、マッチングアプリとしては業界初のテレビCMの放送を開始しており、いわゆる市民権を獲得したサービスともいえるだろう。現在は自治体との連携も進んでおり、少子化対策の一環として活用されることもあるという。一時期は「出会い系アプリ」として怪しい存在と見なされることもあったマッチングアプリは、いかにして市民権を獲得していったのだろうか。

 ペアーズの運営元である、エウレカ(東京都港区)CEOの山本竜馬社長に聞いた。

●「怪しげなアプリ」も今や昔 イメージをどう塗り替えた?

 ペアーズの日本でのリリースは約10年前、2012年にさかのぼる。当時は真剣な出会いを探すコンセプトのマッチングアプリ自体が珍しく、いわゆる「出会い系サイト」と混同され、怪しいイメージを持たれることが多かったという。

 ペアーズはサービスの黎明(れいめい)期から本人確認制度を導入し、パートナーを安心安全に探せるよう、品質の向上に努めてきた。今ではAI・人間の目双方の監視体制で不正なアカウントを検知・削除しているなど、安心安全な環境づくりに取り組んでいる。

 20年初頭から始まったコロナ禍の影響で、人と直接会いにくいご時世となった。マッチングアプリ業界には追い風として働き、ペアーズのユーザー数は急増。22年にはペアーズの累計登録数は2000万件を超えている。

 コロナ禍の対応として同社は「ワクチン接種済み」サインの導入やマッチングしていない相手と通話できる「トークトゥデート」など、新たな生活様式に合わせて提供サービスを拡充してきた。

●念願のCM放送開始 背景に何が?

 こうした取り組みを経て、ペアーズは9月からテレビCMの放送を開始した。実はこれは、マッチングアプリ業界にとっては大きな転換点でもある。

 マッチングアプリは認知が進んでいるとはいえ、まだ新しい業態である。同業態の企業はこれまで、Webを中心としたデジタルマーケティングに広告予算を投下してきた。テレビCMといったマス広告への出稿も長年の願いだった一方で、テレビ局側は慎重な姿勢を続けていたことも事実だ。

 「新しい業態であり、かつここ数年で急速にユーザー数が増えていった一方で、マッチングアプリ関係で生まれたトラブルに対してテレビ局側は非常に敏感になっていました。

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