ライオンが生成AIで業務効率化 情シス、研究開発、広報それぞれの使い方は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月14日 12時30分
ライオンが生成AI活用によって業務効率化を進めている
ライオンが生成AI活用によって業務効率化を進めている。
2023年5月にグループの国内従業員約5000人に向けて、自社開発の対話生成AI「LION AI Chat」を公開した。情報システム部門や研究開発部門、広報部門などさまざまな職種で業務効率化を図っている。具体例を同社に聞いた。
●実際の活用事例は?
──LION AI Chatとはどんなものですか?
当社グループの国内従業員約5000人に対して、情報漏えいなどのリスクを抑えて生成AIを安心して業務へ活用できるプラットフォームとしてLION AI Chatを提供しています。従業員はこのWebアプリ上からGPT-4などの生成AIを利用できます。
基本的には従業員それぞれが自身の業務に合った使い方を模索しながら利用していますが、社内コミュニティーで意見が出た汎用的な用途(例えばメール作成など)についてはテンプレート機能を用意するなど、利用者の活用ハードルを下げる取り組みも実施しています。
──LION AI Chatを開発した経緯は?
ChatGPTが注目され始めた当初から、生成AIのポテンシャルを高く感じていた多くの従業員から業務活用への問い合わせがありましたが、入力した情報が学習データとして2次利用されてしまうなどのリスクが懸念されました。そのため、従業員が安全に利用できる環境を早急に用意する必要があると考え、Azure OpenAI Serviceがリリースされたタイミングで自社開発することを選択しました。
──どのような活用の進め方を想定していますか。
現時点では業務の効率化からアイデア出しまで、さまざまな利用方法にチャレンジしています。まずは個々人が生成AIに慣れ、自身の業務に活用してみる場としてLION AI Chatを提供していますが、次の段階として組織レベルの課題に生成AIを活用する仕組みの検討を進めています。
具体的には、社内に散在する技術情報などを検索し要約できる「知識伝承のAI化」ツールの導入を検討しています。生成AIを通じ、組織内に蓄積されたナレッジを効率的かつ高度に活用していきたいと考えています。
──すでに活用している事例はありますか。
LION AI Chatで効率化した業務の内容として(1)プログラムコードの作成とドキュメント化支援、(2)文献などの調査業務のサポート、(3)メディア向けセミナーの案内状作成──などがあります。
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