「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月9日 6時35分
都道府県のカタチをしたピンバッジが人気
ゼンリンといえば地図である。目的地に行こうとしたとき、道に迷ったとき、人生にも迷ったとき……はさておき、多くの人が一度は使ったことがあるはずである。
そのゼンリンが雑貨を扱っていて、SNSで話題になっているアイテムをご存じだろうか。2023年3月、各都道府県のカタチをした「47都道府県ピンバッジ」(1100円)を販売したところ、「自分の出身県のピン、ほしいよなあ」といったコメントが相次いだ。
話題になっただけでなく、売り上げが想定を大きく上回ったので、第2弾「街まち 47palette カラーピンズ」(1100円)を販売することに。こちらの特徴は、各ピンバッジにネーミングと色が付いていること。例えば、宮城県は「ずんだ」、滋賀県は「琵琶湖の夕日」、福岡県は「めんたいこ」といった具合に、名所や名産品などをイメージした色にしているのだ。
このシリーズはこれにておしまい……かと思いきや、第3弾の登場である。24年2月、47都道府県のピンバッジを18金または銀(SV925)でつくったのだ。価格は金が9万9000円、銀が2万9700円。「さすがに高すぎるだろ! 調子に乗りすぎだな」「外国人観光客も、高くて買わないよ!」などと思われたかもしれないが、そこそこ売れているようである(数は非公表)。
それにしても、なぜゼンリンは各都道府県のカタチをしたピンバッジを開発したのか。話は5年ほど前にさかのぼる。19年12月、ゼンリンは文具や雑貨などを扱うリアル店舗「Map Design GALLERY」(小倉店と福岡店のほかにECサイトも)をオープン。特徴は、すべての商品に地図が描かれていること。クリアファイル、傘、カバンなどを販売していく中で、関東や近畿など9地方をモチーフにした「日本列島ピンバッジ」(1100円)を販売した。
同社にとってこうした商品を販売するのは初めてのことだったので、どのくらいの反響があるのかよく分からなかった。手探り状態の中で、店頭に並べてみると「想定以上に売れました。お客さまから『都道府県のモノもほしい』といった声が多かったので、47種類のピンバッジをつくりました」(担当者)とのこと。
●売れそうなピンバッジの特徴
ただ開発にあたって、懸念がひとつあった。「日本列島ピンバッジ」は9種類なので、よく売れたモノとそうでなかったモノの“差”はそれほどなかった。しかし、47種類もあれば話は別である。例えば、人口が最も多い「東京都」はものすごく売れて、最も少ない「鳥取県」は苦戦するかもしれない。
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