1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

流浪のクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」が静岡、浜松へ JR東海に観光列車の幕が上がる

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月15日 7時30分

写真

JR東海が観光列車を運行

 東急の観光列車「THE ROYAL EXPRESS」がJR東海の線路に乗り入れる。ツアー名は「THE ROYAL EXPRESS ~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」(以下、SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN)だ。

 2024年5月30日に静岡駅前のホテルで記者発表会が開催され、JR東海の丹羽俊介社長と東急の堀江正博社長が登壇した。JR東海にとって観光列車ビジネスの始まり。東急にとっては新たな走路の獲得だ。特に東急には「熱海から西へ走らせたい」という強い希望があったという。

 2024年11月から12月にかけて、毎週金曜日に横浜駅を出発し、三島、沼津、浜名湖、静岡、日本平を巡って横浜駅に戻る。東海道本線を行ったり来たりしながら、富士山の景色を楽しみ、東海道の歴史と景勝地を訪ねる。東急にとって、伊豆、北海道、四国に続く4番目のクルーズ。JR東海にとって初のクルーズトレイン運行となる。

 旅行代金は、宿泊施設を2名1室で利用する場合で75万円から。1名1室で利用する場合は105万円から。使い古された言葉だけど「豪華列車の旅」である。申し込み受付が始まっており、希望者多数の場合は抽選となっている。

 これで、JR旅客会社の6社すべてがクルーズトレインを経験することになった。いままでクルーズトレインを運行しなかったJR東海にとって大きな経験になる。また東急は、クルーズトレイン運行会社として新たなルートを開拓した。乗客は、日本の観光の大きなコンテンツ「富士山」の眺望を列車や宿で楽しめる。三方良しである。いや、運行ルートの静岡県も観光の魅力を発信できる。四方良しだ。

●「THE ROYAL EXPRESS」誕生の背景

 「THE ROYAL EXPRESS」は、東急が2017年から横浜発、伊豆下田行きとして運行しているクルーズトレインだ。ここでいう東急は東急電鉄の親会社で、東急グループをとりまとめる会社だ。

 「THE ROYAL EXPRESS」は東急グループの伊豆急行が製造した2100系電車「リゾート21」を改造して作られた。改造も東急グループの東急テクノシステム長津田工場で行われた。ツアーの企画、催行は東急が実施する。申し込みは公式サイトで受け付けており、東急と伊豆急行が共同で運営している。東急グループの総合力を結集したクルーズトレインだ。

 東急グループは鉄道、不動産、生活流通のほか、旅行業、リゾート開発も手がけてきた。特に伊豆は伊豆急行という鉄道会社も設立して、リゾート開発を進めてきた。しかし東急電鉄の路線とはつながっていない。ならば列車で結んでしまおう。それが横浜発伊豆急下田行きの「THE ROYAL EXPRESS」である。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください