変わる「推し活」 SNS分析から分かった「偏愛性」の高まり
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 7時30分
ソーシャルリスニングから見えてきた生活者の購買行動に関する“未来の兆し”を読み解く
この記事は、博報堂が運営する“生活者データ・ドリブン”マーケティング通信が2024年5月31日に掲載した「【第6回】ソーシャルリスニングから捉える新たな買物潮流の“兆し”とは」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
「売るを買うから考える。」という言葉をスローガンに2003年より活動している「博報堂買物研究所」(以下、買物研)は、20年にわたり買物トレンドの変容を分析してきた。
前回の記事「品ぞろえが多いと逆にストレス……? 生活者の買物欲を刺激する『20のツボ』」では、設立20周年プロジェクトのひとつとして実施した「買物欲大調査」をもとに、生活者が求める「良い買物体験」とは何か――を考えた。
今回は同調査をもとに、ソーシャルリスニングから見えてきた生活者の購買行動に関する“未来の兆し”を読み解く。
総合広告会社「TBWA HAKUHODO」のマーケティング戦略組織で、SNS分析を通じて市場を調査する「65dB(デシベル) TOKYO」(以下、65dB)の橘田幸之佑さんと増田 実紗さんに、買物研の河野美咲さんが話を聞いた。
●生活者理解に欠かせないSNS分析
河野: 買物研が実施した「買物欲大調査」では、ソーシャルリスニングの専門家である65dBに、分析にご協力いただきました。 元々は買物欲の研究を始めるにあたって、「SNSであればリアルな生活者の声を、長期的な広い視点で集められるのでは」という話になり、65dBの方にお話をうかがったのがきっかけでした。まずは65dBの取り組みについて教えていただけますでしょうか。
橘田: 65dBはソーシャルリスニングを通じて生活者理解を促進することで、顧客に共感されるブランドづくりやマーケティング支援を得意としている組織です。
日本において非常に幅広い層に普及するSNSは、いまや対面以上に多くの会話が交わされているプラットフォームになっています。 モノやサービスを購入する際に、SNSを通じて購入を検討するケースも増加する一方で、情報とのタッチポイントが増え複雑化してきているからこそ、 生活者理解がより大切になってきていると言えるでしょう。
情報接触の過多に加えて、日本のマーケットでは多くのカテゴリにおいて市場が成熟しているため、 生活者が商品に対する不満を抱きにくくなっており、生活者自身も「なぜ自分はこの商品を選択したのか」が、分からなくなってしまうこともあるようです。
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