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MUFG傘下入りでつかんだシナジーとは? フィンテックベンチャーに聞く

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月27日 8時0分

八巻: 事業シナジーは2つあり、一つは広告宣伝活動です。当時は現在よりも会社の規模も小さかったため、広告代理店側の与信が通らず、広告を出せないこともしばしばありました。そこで、フリークアウトに広告宣伝活動のサポートをしてもらうことで、広告出稿を可能にしていました。もう一つのシナジーは、人的サポートです。例えば、当社にはマーケティングの担当者がいなかったので、アプリマーケティングの経験者をフリークアウトから出向してもらうことができました。

及川: 御社が持っているデータやネットワークをフリークアウトが活用するということはなかったのですか。

八巻: そういう話もありましたが、プライバシー規制が厳しくなったことや、アドテクの盛り上がりが一巡したこともあり、実現はしませんでしたね。

及川: 2020年にはセブン銀行と資本業務提携をしています。こちらはどのような経緯だったのですか。

八巻: もともとプリペイドカードをATMでチャージする機能において事業提携していました。そこから資本業務提携の話になり、会話を続ける中、「セブン銀行後払いサービス」の提供をしていただくという提携が実現いたしました。

及川: 今もセブン銀行との資本業務提携については続いていますよね。さて、三菱とのM&Aでは、既存株主が保有するカンムの株式の約7割を約160億円で取得する契約となりました。大株主が変更になった形ですが、なにかきっかけはありましたか。

八巻: 私たちがIPOを準備する中で、よりシナジーを期待できる企業にマジョリティーを持っていただく必要が見えてきたことなどがあります。そんななかで、三菱からの話があり、進めていくことになりました。

及川: さまざまな要因が重なったのですね。

●三菱UFJ銀行とカンム、それぞれの狙い

及川: そうしてMUFGグループに入ることになりますが、カンムにとってのこのM&Aはどんなメリットがあると考えていましたか。

八巻: 当社の事業は潤沢な資金が必要であるため、大きなバックファイナンスを支援していただける会社が株主であれば安心感が高まるというのが最大のメリットでした。また、私たちが金融事業を営み、拡大する過程では、金融庁あるいは世の中とのコミュニケーションが必要になります。そのときに、MUFGというグループの一員であるということが意味を持つと考えていました。

及川: なるほど。他方、御社がグループ入りすることは三菱側にどんなメリットがあったのでしょうか。

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