早期リタイアしたい「20~30代男性」が増えている なぜか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月28日 6時5分
なぜ早期リタイアしたいのか(提供:ゲッティイメージズ)
※この記事は、パーソル総合研究所が9月3日に掲載した「早期リタイアを希望する20~30代の若手男性が増えているのはなぜか」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などはすべて掲載当時のものです。
近年の社会の急速な変化に伴い、20~30代の若手就業者の意識が変化している。 パーソル総合研究所が実施する「働く10,000人の就業・成長定点調査」 では、2017年から毎年、全国の就業者に「人生で何歳まで働きたいと思いますか」と、リタイア希望年齢を聴取している。
20~30代の若手男性就業者において、この質問への回答結果が年々若返る傾向があることが明らかになった。つまり、「早期リタイア」(アーリーリタイア)したいと考える若手男性が増えている。本コラムでは、このような若手就業者の「早期リタイア」への意識変化に着目し、その実態と要因を見ていきたい。
図表1を見ると、20代男性就業者において、リタイア希望年齢を一般的な定年よりもかなり早い「50歳以下」とした割合は、2017年には13.7%であったのに対し、2024年には29.1%と2倍以上に増加した。30代の男性の就業者では「55歳以下」が2017年の14.3%から、2024年には28.1%と、同様に大きく増加している。
一方、20~30代の女性就業者については、ほとんど変化がない。若手の女性と男性を比較すると、男女差が年々縮まり、2024年にはリタイア希望年齢に男女差がほぼなくなったといえる。従来、20~30代の女性就業者では、結婚・出産などを想定して早期リタイアを希望する人が男性よりも多かったが、その差が縮まったとみることができる。
また、図示はしないが、40代以上の就業者では、40代男性のみで若干早期リタイア希望者が増加傾向にあるものの、いずれもほとんど横ばいである。つまり、20~30代の男性就業者において特異的に、早期リタイアしたいと考える人が増えている。
この傾向が特定の社会属性にのみ起きているのか、全体的な傾向なのかを、企業規模、学歴、婚姻・子どもの状況、個人年収別に分析し確認した。すると、大企業でも中小企業でも、大卒でも高卒でも、独身でも子あり者でも、高年収でも低年収でも、若手男性の早期リタイア希望者が増加していた。全国の若手男性就業者一般に起きている意識変化のようだ。
●学生から社会人になると、早期リタイア希望者が増える
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