社会人の勉強は「仕事中」にやれ――堂々とそう言えるワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月10日 8時10分
●「ポータブルスキル」に焦点を当てろ
「仕事中勉強法」の2つ目のポイントは「ポータブルスキルに焦点を合わせる」ことだ。
「ポータブルスキル」とは、一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)が開発した「業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキル」のこと。これはビジネスパーソンにとって極めて重要な概念だ。
ポータブルスキルについて、詳しくは厚生労働省のWebサイトで確認できる。
大別すると、「仕事のし方」と「人との関わり方」の2つのスキルに分けられ、その中の各要素は下記の通りとなっている。
●ポータブルスキルを2つのスキルに分類すると
【仕事のし方】
・現状の把握
・課題の設定方法
・計画の立て方
・実際の課題遂行
・状況への対応
【人との関わり方】
・社内対応
・社外対応
・部下マネジメント
20年近くコンサルタントをしてきた経験からして、このまとめ方は素晴らしいと思う。とても重要な要素が抜き出されていて、これらのスキル向上が自分自身の市場価値(マーケットバリュー)を高めることになるに違いない。
ただし、表現が分かりづらいとも思う。抽象的すぎて何をどうしたらこれらのスキルが身に付くのかがイメージができない。従って本書の中では以下のように表現を変えたい。
●「コンセプチュアルスキル」と「ヒューマンスキル」
・「仕事のし方」=コンセプチュアルスキル(定義:複雑な事象を概念化して本質を把握するスキル)
・「人との関わり方」=ヒューマンスキル(定義:交渉や調整の際に円滑なコミュニケーションをとれる対人スキル)
このように「コンセプチュアルスキル」と「ヒューマンスキル」と名称を改め定義することで、何をどう勉強したらいいのか具体的なイメージを持てるだろう。この2つのスキルに着目する最大のメリットは、将来の仕事だけでなく、目の前の仕事にも役立つということだ。
●社内制度を活用しないのはもったいない!
「仕事中勉強法」3つ目のポイントは、「徹底して社内制度を活用すること」だ。
実務で役立つ研修などは誰でも受講する。なぜなら、その知識や技能を習得しないと自分に与えられた業務を遂行することができないからだ。これらは「マスト(Must)」の勉強といえる。
経理担当は簿記の勉強をしなければならないし、システムエンジニアはシステム設計やプログラミングを習わないと仕事ができない。
一方、先述したコンセプチュアルスキルやヒューマンスキルは「マスト(Must)」ではなく、どちらかというと「ナイストゥハブ(Nice to have)」の勉強となる。「あればよい」けれど「必須」ではないと受け止められがち。
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