1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. モバイル・アプリ

「AQUOS R9」で起きた“3つの異変” Proなし、デザイン刷新、実質値下げの意図を聞く

ITmedia Mobile / 2024年6月19日 6時5分

 「実際、意識調査を見ると、何が何でも一番いいチップでないといけないという人は、数年前に比べると激減しています」と小林氏。「本当に普段快適なら、チップの品番にはこだわらない、8系にこだわらない」という人が圧倒的に増えてきているという。

 性能と価格の関係は、「性能が倍になるからといって値段が倍になるわけではない」ことが難しい小林氏は言う。性能が上がると価格も上がるが、その幅は緩やかなカーブになる。一方、需要と価格の関係でいうと、「お客さまの需要は、あるところでは急激に下がるようなカーブをしている」と小林氏。「性能と価格」「需要と価格」のカーブが交差する絶妙なポイントを探りながら、スペックと価格を決めてきた。

 その結果、SIMフリーモデルの価格は10万円前後を実現した。昨今の円安状況を鑑みても、この価格は2024年のハイエンドスマホとしては十分安い。Snapdragon 8 Gen 3を搭載した他社のフラグシップ機を見ると、メーカー直販価格はXperia 1 VIが18万9200円から、ROG Phone 8が15万9800円から、Xiaomi 14 Ultraが19万9900円。もちろんプロセッサの差はあるが、AQUOS R9の価格が10万円だとすると、他社のフラグシップ機より約6万円~10万円安い。Proがないことが取り沙汰されているが、10万円前後の価格は大きな武器になるだろう。

●AQUOS R9の「10万円前後」は実質的な値下げ

 さらに、2023年に発売したAQUOS R8のSIMフリーモデルが13万円台後半だった。2023年からさらに円安が進んだ現状を考えても、AQUOS R9の10万円前後は特筆すべき安さだといえる。中江氏は「自分たちの中でかなり頑張りました」、清水氏は「10万円のハイエンドは覚えやすいので、そこは意識しました」と振り返る。

 小林氏はスマートフォンでは「パッケージング力が問われる」と前置きした上で、以下のように話す。

 「一般的に、プロダクトのライフサイクルは、成長期にはより優れたもので差別化を図りますが、成熟期に入ると、価格と機能のバランスがとても重要になります。言葉は悪いですが、Snapdragon 8シリーズを搭載して20数万円ですという商品が出ると、どう思うか」

 同時期にソフトバンクからは「Leitz Phone 3」が発売されたが、こちらの製品はAQUOS R8 proがベースになっている。プロセッサにSnapdragon 8 Gen 2を搭載するハイエンドモデルで価格は19万5696円(税込み)。決して安くはないが、「20万円切ることにはこだわった」(小林氏)という。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください