中国の“音楽特化スマホ”「MOONDROP MIAD01」を試す 重厚なサウンドに驚き、作り手のエゴを存分に感じた
ITmedia Mobile / 2024年7月25日 13時45分
今回のMIAD01はそれらの端末を上回るポジションにいる。その理由は専用の高品質DACやアンプを備えること、4.4mmのバランス端子を備えることだ。
専用のDACを持つ点は大きなアピールポイントだ。シーラス・ロジック製のモバイル向け上位のDACを採用し、音響回路部分にはノイズ対策のために金属製のシールドをかぶせている。このあたりはモバイル向けのスティック型DACを製造したノウハウが生きている。
これが生きた結果か、スマホとしては優秀な132dbのダイナミックレンジを備える。アンプ部もアンバランス端子で2Vrms、バランス端子で4Vrmsの数値(いずれもメーカー実測値)を確保している。
音量も100段階で調整できるなど、音楽プレーヤーとしての側面もかなり高めた設計だ。これによって音量の取りにくい構成のイヤフォンやヘッドフォンも安定してドライブできる。
音質面を強化したMIAD01のサウンドをチェックしてみよう。まずはアンバランス端子から聞いてみる。一聴して他のスマホとは異なる「格の差」を見せつけられる。スマートフォンのイヤフォンジャックでよく指摘される「薄っぺらさ」といったものを一切感じさせない、繊細かつ重厚なサウンドを体験できる。
バランス端子では分離感、解像感が1段上がり、音の輪郭がハッキリしてくる。4.4mm端子は一般的なイヤフォンと異なる端子なので、別途対応する機種やケーブルなどを用意する必要がある。それでも、MIAD01の本領を発揮するのはこちらの端子であり、可能ならこちらの端子で常用したいものだ。
もちろん、10万円を超えるような音楽プレーヤーやパワフルなポータブルヘッドフォンアンプを使用したサウンドには及ばない。好みの差もあると思うが、筆者としてはあくまでスマートフォンのカテゴリー内で群を抜いた存在と評価したい。
●MIAD 01は高音質スマホ「GRANBEAT」の後継モデルになれるか
そんなMIAD 01は日本市場で特に高い関心を持たれている。その理由は、ポータブルオーディオが盛んな市場で水月雨の知名度が高いことはもちろん、過去にオンキヨーから「GRANBEAT」という音質特化スマホが存在していたことも大きい。
GRANBEATは2.5mmのバランス端子を備え、専用設計の音響回路を備えたスマートフォンだ。本機種は2017年に発売され、高級音楽プレーヤーとスマートフォンを1つにできる製品として注目された。
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