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中国の“音楽特化スマホ”「MOONDROP MIAD01」を試す 重厚なサウンドに驚き、作り手のエゴを存分に感じた

ITmedia Mobile / 2024年7月25日 13時45分

 当時はMVNOでの取り扱いもあり、一定の層には売れたものの、会社の経営難などを理由に後継機種が現れることはなかった。年数の経過やVoLTEに非対応なことから継続利用も難しい機種のため、今なお後継機が待たれるスマートフォンの1つだ。

 また、現行のAndroidを採用した音楽プレーヤーを利用するユーザーからの関心も高い。これらの機種はノイズ対策や少数生産ゆえの調達価格の関係などから、今もなお性能の低いプロセッサを採用しているものが少なくない。

 Androidを採用して音楽ストリーミングサービス対応をアピールしていても、性能の低さから「動作はもっさりしていて、使いにくい」といった意見が数年前からあったのだ。

 GRANBEATの後継だけでなく、キビキビ動く性能の高い音楽プレーヤーの両者に白羽の矢が立ったのが、水月雨のMIAD01なのだ。バランス端子は主流の4.4mmを採用し、音質面でもスティック型DACを接続した端末と大きく変わらないレベルを達成している。

 5G通信に対応したことで、必然的にプロセッサにある程度の性能が確保されている点もストリーミングサービスを使う上ではうれしいところだ。

 過去のGRANBEATと比較しても、サウンドについては双方共にレベルが高い。MIAD01もここ数年で発売された機種の中では群を抜いて高いクオリティーだが、2017年に発売されたGRANBEATも引けを取らない。

 両者の違いはMIAD01が水月雨らしい女性ボーカルの帯域に重きを置いたチューニングに対して、GRANBEATは解像感を重視したオールラウンダーといったところ。ここは好みの問題もありそうだ。

 バランス端子は両者ともにスマートフォンらしからぬ高音質だが、3.5mmのアンバランスでは、GRANBEATの方に軍配が上がる。MIAD01も高品質だが、この機種はバランス端子とアンバランス端子は明確に音に差がある構成のため、よりピュアなオーディオに近かったモノはGRANBEATと評価したい。

 そのため、MIAD01はストリーミングアプリなどを主眼に置いた「高音質スマホ」に対し、スマホでありながら電波を発さない状態で使用する「スタンドアロンモード」といった音楽プレーヤーとしての側面が強いGRANBEATという印象だ。

 高音質なサウンドハードウェアを組み込んだスマホか、音楽プレーヤーとして設計したものにスマホ機能を付けたか。両者のコンセプトは根端から異なるものだと感じた次第だ。

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