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契約しようとしているのは本当に“本人”? 携帯電話ショップ店員から見た「本人確認」と「マイナンバーカード」

ITmedia Mobile / 2024年7月28日 11時5分

 ご覧の通り、少なくとも携帯電話ショップの店員の多くは本人確認書類のICチップ読み取り義務化を歓迎している。先述の通り、現在は本人確認書類のバリエーションが多く、キャリアによって取り扱いが異なるものもある。お客さまが適切な書類を「持っていない」あるいは「取得できない」という理由で申し込みを受理できないことも少なからずある。

 その点、人口の約8割が交付申請を行い、4人に3人近くが保持しているマイナンバーカードを本人確認書類として“最優先”に据えることは、案内の簡素化やトラブルの回避、ひいては成約につなげやすくなると考えているようだ。

 また、店員のコメントにもあるように、昨今の偽造された本人確認書類は、非常に精巧に作られている。実は筆者も、偽造された運転免許証で契約を受け付けてしまい、実務担当者として警察からの事情聴取に応じたこともある(その時は、主に偽造免許証を使った被疑者が契約時にどんな様子だったのかを聞かれた)。

 しかし、偽造が精巧になっているとはいえ、本人確認書類のICチップを読み取り、所持者本人しか知り得ない暗証番号(パスワード)を入れてもらった本人確認をすれば、ほぼ全ての不正契約は防げる。そういう観点では、昨今の政府の動きは正しい方向性のように思える。

 一方で、本人確認書類のICチップの読み取り、特にマイナンバーカードを本人確認書類の“主”に据えることに懸念を持っているスタッフもいる。

●「ICチップ読み取り」で考えられる懸念とは?

 今回、複数の店員に話を聞く中で、ICチップの読み取りによる本人確認に懸念を抱く声もあったので紹介する。

 なぜかマイナンバーカードを極端に嫌っている人っていますよね。なぜそこまで嫌うのか、理由まではちゃんと聞いてないので分かりませんが、まだ持っていないという人も一定数います。 一応、政府方針としては対面手続きの場合は運転免許証や在留カードも許容する方向するとのことですが、無理に本人確認方法をマイナンバーカードに一本化してしまうと、理由があってマイナンバーカードを持ちたくない人や持てない人は手続きできなくなります。そういう人でも受け付けられる基準や仕組みを用意すべきだと思います。

 マイナンバーカードを主たる本人確認書類とするのはいいとして、運転免許証を含む他の書類をどこまで使えるようにするのかという議論はきちんとすべきだと思います。現状の政府方針は「マイナンバーカードか運転免許証のどっちかなら持ってるだろ」「外国人なら在留カードを持ってるから何とかなる」という考えが透けて見えてしまって、ちょっと乱暴な感じを受けてしまうんですよね……。 現状でも、昔と比べると本人確認書類として使える書類は絞られてきていますが、さらに絞ってしまうと本人確認できなくなるお客さまが結構出てしまうのではないかと不安です。

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