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IIJmio“長期優遇施策”の狙い 「新規ばかり優遇」からの脱却、旧プランからの移行は課題か

ITmedia Mobile / 2024年7月31日 11時10分

―― 初期費用の割引というのは、これをフックにして家族での契約につなげるという狙いもあるのでしょうか。

亀井氏 はい。まだまだ複数回線契約は少ないですからね。契約を家族内で分けているのかもしれませんが、ギガプランの4分の1程度しかいません。ちょっとずつ増えてはいて、アプリでシェアしやすいようにもしていますが、長期利用特典が切り替えるきっかけになればと思っています。今後は、訴求の仕方も変えていきたいですね。

―― 大手3キャリアでは家族で契約があると解約を抑止できるという話がありますが、これはMVNOも同じでしょうか。

亀井氏 ありますね。IIJmioでも、光回線をご契約している方の解約率は低くなっています。

―― SIM交換や再発行手数料も無料ですが、これはeSIMへの機種変更を想定しているのでしょうか。

亀井氏 はい。再発行時のSIMプロファイルの発行手数料は220円や433円かかりますが、音声通話SIMから音声eSIMへ形状変更するようなときの2200円が無料になります。これがあると機種変更のときに、他社に行ってしまうきっかけになるからです。eSIMに変えたいという人から2200円取るのはちょっと違うのではないか。こういうものがあれば、長く使っていただけると思います。

―― 既に端末の優待は実施中ですが、家族割引は秋、長期利用特典は冬と、時期がずれています。これはどのような理由でしょうか。

亀井氏 家族割引は4月からキャンペーンをやっていたのですが、すぐに始めるとかぶってしまう人が出てきます。キャンペーンからサービスへと切れ目なく続くようにしたかったので秋になりました。これが家族割引の事情です。

 手数料無料やギガの付与は、開発の順番的なことが関係しています。家族割をするにあたっては、矢吹が申し上げたように名義変更をきちんとできるようにしたいということもありましたが、プロモーションの観点で、先にお伝えしています。

矢吹氏 開発の関係もあってリリースのタイミングは異なりますが、お客さまにどう還元していくかをストーリーでしっかり見せたいことが背景にあります。長期特典は慎重に作らないと誤ったルールを適用してしまうミスもありうるので、そこはしっかり時間をかけて作ることにしました。

●取材を終えて:解約抑止の効果は期待できるが、改善してほしい点も

 既存契約者への優遇が可能になったことを受け、端末割引や家族割引を3点セットとして打ち出したのがIIJmioご愛顧感謝特典だ。端末割引や家族割引は以前のガイドラインでも実現可能だったが、あえて長期利用特典の再導入とタイミングを合わせて認知度向上を図っていることがうかがえる。新規契約の獲得を増やすほどの大きなメリットはないものの、ユーザーの定着を促進し、解約率を下げる効果はあるはずだ。

 ただ、家族割引が同一支払いのグループだけという点はやや気になった。共働きの家庭などで、同居しながら携帯電話代の支払いを分けているケースもある。矢吹氏も話していたように、この点は課題の1つといえそうだ。クーポンに関しても、対象者のみで額も一般には公開されていないため、やや盛り上がりに欠ける印象を受けた。ユーザーに認知してもらうためには、プラスαの仕掛けも必要になりそうだ。

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