携帯番号に「060」が採用されるワケ 「電話番号とは何か」を歴史とともに振り返る
ITmedia Mobile / 2024年10月9日 18時0分
・「0180」は大量呼を受け入れるサービス用
・「0570」は地域/全国統一番号サービス用
・「0990」は情報料代理徴収サービス用
(※2)MA(単位料金区域):市内局番を適用する区域(だったが固定電話のIP化で地域区分に)(※3)この番号帯の一部は、例外的に固定電話の市外局番として使われている(例:0550=御殿場MAの市外局番)
●携帯電話番号の歴史
日本における携帯電話専用の電話番号は、1979年に日本電信電話公社(現在のNTT)が自動車電話サービスを始めたことがきっかけで割り当てられました。その歴史を簡単にまとめると以下の通りになります。
開始当初(1979年~1988年)
自動車電話(後から可搬式の「携帯電話」も追加)の電話番号は10桁でした。冒頭の3桁は「030」で、次の2桁で電話が所在している地域(都道府県)の番号、残りの5桁で加入者(通話先)を特定するという仕組みでした。所在地によって電話番号の一部が変わってしまうのは、当時の課金システムの都合であるといわれています。
この時は加入者を識別する番号が5桁分しかありません。理論上「00000」から「99999」までフルに割り当てれば10万契約までは対処可能ですが、それを超える契約は受け入れられなくなります。そこで1986年、冒頭の3桁に「040」を追加で割り当てることになりました。これで、理論上は20万契約まで受け入れられるようになりました。
NTT以外の事業者参入に向けた変更(1988年)
日本における携帯電話サービスは当初、日本電信電話公社が独占的に提供しており、1986年には同社を民営化したNTT(日本電信電話)に引き継がれました。
しかし1988年、日本移動通信(IDO:現在のKDDI)が携帯電話事業に参入することになりました。また第二電電(DDI:現在のKDDI)も子会社(DDIセルラーグループ)を通して1989年から順次携帯電話事業を始めることになりました。
そうなると、日本電信電話公社→NTT“のみ”が存在することを前提とした番号体系を見直す必要があります。そこで、郵政省(当時)は携帯電話番号の割り当て方法を以下のように変更しました。
・冒頭の「030」「040」→距離識別番号とする(160kmを基準に使い分ける)
・次の2桁→事業者識別番号とする
今まで所在地域の識別に使っていた部分を事業者の識別に使うこととした上で、冒頭の番号で所在地域の識別を行うようにした格好です。これに伴い、NTTの携帯電話/自動車電話については電話番号の一部を変更することになりました。
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