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携帯番号に「060」が採用されるワケ 「電話番号とは何か」を歴史とともに振り返る

ITmedia Mobile / 2024年10月9日 18時0分

・FMC(Fixed Mobile Convergence)サービス用に割り当てていたが、現在は利用する事業者なし

・「060-1~9」で始まる番号は用途保留

(※5)位置特定や緊急通報が可能なIP電話は「光IP電話」として区別されており、固定電話とおおむね同じルールで電話番号を割り当てる

 ここでポイントとなるのが、未割り当ての「060-1~9」で始まる番号です。

●「060」を携帯電話番号として使うのはなぜ?

 ここまで述べてきた通り、現状では音声通話できる携帯電話には「090」「080」「070」で始まる番号が割り当てられています。これらのうち、「090」と「080」で始まる番号は全て割り当て済みで、「070」で始まる番号の未割り当て数は2024年9月時点で530万個となっています。

 「まだ未割り当てが530万個あるから大丈夫なのでは?」という意見もあります。しかし、携帯電話は全体を見るといまだに“純増”を続けています。

 音声通話に対応しないデータ通信(≒M2M通信)専用の携帯電話については、2017年から「020」で始まる11桁、2019年から「0200」で始まる14桁の番号を割り当てることで番号的な意味で“待避”できるようになりました……が、音声通話対応の携帯電話も、以下のような需要によって増加を続けています。

・携帯電話回線を使った固定電話サービスの提供

・このサービスでは固定電話番号に加えて携帯電話番号も割り当てられる

・緊急通報時は固定電話番号ではなく携帯電話番号が通知される

店舗や事務所の固定電話の携帯電話へのリプレース

内線電話の携帯電話化

 また、現在の電気通信番号制度では、自ら通信設備を持たない電気通信事業者(MVNO)も、希望をすれば音声通話対応の携帯電話番号の割り当てを受けることが可能です。

 事業者への携帯電話番号の割り当ては、現状では6桁目を基準に行われています。つまり、番号の割り当ては10万個単位で行われるので、新たに割り当てられる枠の残りは「530万÷10万=53枠」しかありません。

 こうして見ると、音声通話対応の携帯電話番号は思った以上に逼迫していることが分かります。

 今回の電気通信番号計画で話題となっている「060」で始まる電気通信番号ですが、FMC用に割り当てられている「060-0」で始まる番号以外は音声通話対応の携帯電話番号として使うことを想定して利用を保留してきました。現在使っている「070」「080」「090」に近い番号帯で分かりやすいこと、FMC用番号帯以外はフルに“空いている”こと、何より桁数増加と比べると混乱や手間が少ないことで光が当たったものと思われます。

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