1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

ゼルダの伝説TOTKの「スクラビルド」誕生秘話 現場の「ムリでは?」な雰囲気、どう解決したか ディレクターが語る

ITmedia NEWS / 2024年8月23日 10時11分

ゼルダの伝説TOTKの「スクラビルド」誕生秘話 現場の「ムリでは?」な雰囲気、どう解決したか ディレクターが語る

 2023年に大ヒットしたゲーム「ゼルダの伝説:ティアーズ オブ ザ キングダム」(TOTK)。前作「ゼルダの伝説:ブレス オブ ザ ワイルド」の続編としての注目を浴びたのはもちろん、特に話題になったのは、2つのアイテムをくっつけることで、新たな機能や効果を得られる新機能「スクラビルド」だ。SNSや動画投稿サイトでは、アイテムを自由にくっつけて遊ぶ様子が大いに拡散した。

 とはいえこのスクラビルド、ゲーム内のありとあらゆるアイテムをくっつけられるだけあって、プレイヤーからも「よくこんな機能を実現できたなと思う」といった声が相次いでいた。実際、開発現場でも「ムリでは?」という空気が漂った時期があったという。TOTKの開発陣は、この機能をどんな経緯で考案・開発したのか。

 ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2024」(パシフィコ横浜、8月21~23日)で、任天堂の藤林秀麿さん(ディレクター)と、廣瀬賢一さん(ゲーム開発インフラ担当)がその誕生秘話を語った。

●「スクラビルド」誕生のきっかけは「前作のギミック」

 藤林さんによれば、スクラビルドのような遊び方を思い付いたきっかけは、前作「ブレス オブ ザ ワイルド」のステージ「ラー・クアの祠」。このステージは、柵の向こうにあるスイッチをヤリで押せば先に進めるというギミックだったが、ここで「ヤリを2本つないで遊べたら楽しいだろうな」と考えたのがきっかけという。このアイデアは、他のアイテムにくっつけることで宙に浮かせられるアイテム「オクタ風船」という形でブレス オブ ザ ワイルドにも組み込んだが、TOTKでは目玉の機能として搭載されることになった。

 「ゼルダの伝説シリーズの本質は『推理して、実行して、その結果を楽しむ』ゲーム。例えば木を切れば丸太になる。それは押せば動く。川に押せば浮いて流される。流れる丸太に乗ればそのまま向こう岸に渡れる。どれも『こうなるんじゃないか』と推理してやってみて、その結果でゲームが進む形。ゼルダはこの工程が豊かなほど面白くなるので、新作を作るなら『推理』『実行』のターンでできることを、プレイヤーの自由な発想で広がるようにしたかった」(藤林さん)

 ただ、この発想がすぐに現在のスクラビルドになったわけではない。モノとモノを組み合わせると言えば簡単だが、そのやり方にはさまざまな形がある。例えば当初は「アイテムを合体させ、全く新しいものにしたら面白いのでは」というアイデアもあったという。A+B=ABではなく、A+B=Cにする考え方だ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください