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老舗バッグメーカーはなぜ“服”を作った? 「着るバッグ」をめぐるエースの挑戦

ITmedia NEWS / 2024年9月28日 14時20分

 「ただ、ディレクションに関わった社員にはかなりゴルフをやっている者も多くて、後ろポケットをスコアカードが入るサイズにするといった、プレイヤーの方に向けた機能性を盛り込んだり、機能素材を使ったりということは自然にやってましたね。そういう部分ではエースらしさを入れていたのかなと思います。」と、エース広報の森川泉さん。

 UNTRACKというブランド自体のコンセプトでもあるが、オンとオフをシームレスに行き来できるバッグというのは、時代に沿った展開だとはいえ、では、そういうバッグを持つのはどういう人なのかが、バッグだけだと伝わりにくいのではないか、という点からも、服飾をやる必要性を感じていた。

 そこから、実際に服を始めるという思い切りが、まず面白い。ファッションブランドがアイテムの一つとしてバッグを作るというのはよくあるが、バッグメーカーがバッグ的なアイテムとして服を作るというのは、かなり珍しいのではないだろうか。

 「冒険でした」と生本さんは話す。

 バッグも服も、革やファブリックを裁断して縫製して作るという点では同じだが、技術的にも、使う道具も全く別物で、技術的な共通点はほぼ無いのだそうだ。「ただ、UNTRACKのウェアの場合、バッグのシリーズの1つのつもりで作っています」(生本さん)。

 例えば、バッグ・メーカーが作る服として、自社のバッグに似合う服というラインもあったと思うし、実際、UNTRACKのバッグとのトータルでのスタイリングは意識されているのだけど、そこにとどまらず「着るバッグ」というコンセプトを掲げるというのは、かなりの冒険だろう。そのコンセプトは、ユーザー側にしてみれば、かなり期待してしまうし、その分、釣り用やカメラマン用の多機能ベストみたいなものとの差別化も期待する。

●バッグになるコートを着てみよう

 今回、実際にお借りして試したのは、「Essential Balcollar Coat」(5万5000円)。生本さんも、実際に作っていて楽しいのは、色々な要素を入れられるアウターだと言っていたし、一番、「バッグとしての服」というコンセプトが分かりやすいのではないかと思ったので、まず、コートから試したいと思ったのだ。

 分かりやすい特徴としては、内ポケットが4つ用意されていること。これだけなら、ただのポケットの多いコートなのだけど、そのポケットは全て開口部が縦になっていて、それぞれにファスナーが付いているのだ。

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