1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

老舗バッグメーカーはなぜ“服”を作った? 「着るバッグ」をめぐるエースの挑戦

ITmedia NEWS / 2024年9月28日 14時20分

 「ファスナーは、多分、開けっ放しで使っている人も多いとは思うんです。それでも全然いいんですけど、バッグ・メーカーとしては、付けてしまいがちというのはあるかもしれません。あと、ポケットの内側は柔らかいパイル地になっているんです。これも、エースのバッグでよくやるんですけど、中にいれたスマホなどに傷が付きにくいようにという配慮です」と生本さん。

 内側がパイル地になっているのは、外側のポケットも同様。コートなら表側のポケットにファスナーが付くのは一般的だが、ジャケットのポケットで、しかも縦開きになっているのは、かなり珍しい。

 さらに、アウターだけでなく、「着るバッグ」のコンセプトの元に、シャツなどもラインアップに加えているのも面白いというか、勇気があるというか。

 「やっぱり、トータルで提案するとなると、シャツも必要だと考えました。見た目はオーセンティックな形で、内装を充実させるというコンセプトはシャツでも踏襲していて、左右両方に内ポケットを設けています。スマホを入れても目立ちにくいようにするなどの点もアウター同様ですね。ただ、内ポケットはボタンを上まで留めるとアクセスできなくなるので、提案としては、シャツジャケット的に使ってもらうことも想定しました」と生本さん。

 Tシャツの上から羽織ると、このシャツがボディバッグの代りになるという感じだろうか。2024年秋冬モデルのシャツは、やや薄手の柔らかい生地だが、2023年モデルでは、もう少し張りのあるシャツジャケットっぽい素材だった。「ガジェタブルは、形が同じで素材違いのモデルを出しています。その発想に近い感じかもしれないですね」と森川さんは話す。

 シャツについては、ボタンがスナップボタンになっているのも、シャツジャケットっぽいし、着脱が楽そうだ。

 「もちろん、『着るバッグ』というコンセプトを大事にしていますが、それ以前に、どのアイテムも着心地の良さや快適さ、使い勝手の良さというところがポイントになっています。なので、ストレッチ性があって動く作業がしやすいとか、コートなどでも撥水性が高くて自宅の洗濯機でも洗えるとか、そういうことを実現するために、機能素材を使っているものも多いですね」と生本さん。

 機能素材としては、UNTRACKのバッグでも使われていて、ジャケットにも使われているベンタイトも昔ながらの機能素材といえる。コットン100%の素材ながら、撥水性が高く、ポリエステルやナイロンと違って、経年変化で味が出てくる素材だ、もちろんコットンだから洗濯機で洗える。元々、服地として使われることが多い素材を、エースではバッグに使い、さらに服にも使っているそうだが、この妙に逆転した流れが、このブランドらしさだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください