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電子コミックの源流は“PDA”から――「コミックシーモア」が歩んだ20年、朝日代表に聞く

ITmedia NEWS / 2024年10月9日 13時25分

朝日:まさにおっしゃる通りですね。版面をスキャンして、それをコマに切り取って並べ直して、全体を1つのコンテンツにして。

 もう取りあえずしんどかったって話だけはたくさん聞いてます。それでも最盛期、月間10億ぐらいダウンロードがあったそうです。

──まさに、通信業界イケイケだった時代ですよね

朝日:そうですね。思った以上にユーザーさんの反響があって、iモードだけでなくauさんだとか、当時のvodafoneさんでも同じビジネスモデルをやることになりました。ある意味、日本の携帯を所持してる方全員に向けてコミックビジネスをやっていくってことになったわけです。

●ビジネスの転機となったスマホの台頭

──それがスマートフォン時代になって、やり方なり売り方といったセオリーが、ガラッと変わったわけでしょうか

朝日:まず、携帯からスマホに変わるっていうのは、 いわゆるキャリアプラットホームからオープンインターネットに変わるっていうことと多分同じだと思うんですよね。

 キャリアプラットフォームでは、 キャリアがユーザーさんを連れてきてくれるので、私たち書店が直接顧客に向かって営業することなかったわけですけども、オープンインターネットのスマホに変わったら、私たち自らが広告を打って集客をしなきゃいけなくなった。

 ただ一方で、非常にマンガの作り手が増えて、作り方にもバリエーションが増えました。例えば昔からのマンガってのは、編集者とマンガ家が二人三脚で作るものでしたが、その作り方や作り手っていうのが、ものすごくバリエーションが増えたっていう時代でした。

 やっぱり1番大きいのは、ユーザーが時間や場所を選ばずダウンロードできるようになった。その手軽さだとか消費性っていうのがどんどんに向上していって、それがものすごい正のスパイラルになって、ここまで電子コミック市場だ成長してきたんじゃないかなって思います。

──コミックシーモアは12年にサービスインされてますけども、 僕の感覚で言うと、書籍の電子化ってやりたいところはすごくやってるんだけど、なかなか全体が乗ってこないっていう時期が長かったように思います。12年っていう時代って、やはり出版社によって温度差があったわけですよね

朝日:ありましたね。ただもうiPhone自体が08年に日本に上陸してましたから、私たちの参入は決して早い段階でもなかったと思います。事実私たちは携帯でこの世の春を謳歌してたものですから、当初スマホでの売り上げが伸びていかなかったのは、そこでアクセル踏み遅れたんですよね。

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