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電子コミックの源流は“PDA”から――「コミックシーモア」が歩んだ20年、朝日代表に聞く

ITmedia NEWS / 2024年10月9日 13時25分

 これは想像なんですけど、私たちの若い時っていうのは、普通に表でも電車の中でもマンガを読んでいたんですけども、やっぱり女性でそういう人を見かけることって、ほぼなかったと思うんですね。だから割と女性が外でマンガを読むっていうことが、 ちょっと恥ずかしかった時代なのかなという風にも思うんです。

 一方で電子コミックっていうのは、24時間場所も時間も選ばないっていうところで、特に女性に利用されるっていうことが、始めてみてわかったんですよね。ですので女性向けの作品を充実させるとこから始めていったのが、そのきっかけといえばきっかけですね。

──現在電子コミック業界には、30社以上のプレーヤーがいらっしゃいます。これだけの競合プレイヤーがいて、各社どうやって成立しているのか、謎なんですよね

朝日:音楽とか映像の配信サービスっていうのは、かなりここ10年ぐらいでサブスク型に変化してしまったと思うんですよね。ただコミックの配信の場合は、サブスク型、いわゆる読み放題型みたいなのは一部あるんですけど、大半はまだまだアラカルト型なんですよ。これがやっぱり音楽とも映像とも1番違う点だろうなって思う部分ですね。

 業界の中でこれだけのプレイヤーがいても成り立っているというのは、作品と出会うことが重要であって、だからこそ書店に違いがあって、そこを回遊するユーザーにとっては意味があるというふうにつながってくるのかなって思います。

──やっぱりそのコンテンツ1個1個の強さとか魅力みたいなところが、このビジネスのキーになるんだろうなっていうのは、お話を聞いててなんとなくつかめてきたところです。 ではそこで、どういうコンテンツを手配すればいいのかっていうところになってくると思います

朝日:映像や音楽と違ってマンガってのは、実はユーザーが知らない作品が最も多いジャンルじゃないかなって思うんですよね。

 音楽なんかだと、どこかで聴いたことがあるっていうことがあり得ると思うんですけど、 コミックは本当に読んだことがなければもうほぼわからない。そういうコンテンツの性格を帯びてるって私個人としては思うんですけど。

 そういう意味では、そのマッチングをしてあげることに対する付加価値が高いわけなんですよね。ユーザーが自ら探しに行くのがなかなか難しいとも言い換えられるかもしれませんが。

 そこに書店としての付加価値を出していく。書店の中のイベントだとか企画を通じて、出会うはずもなかった作品に出会ってもらう、もしくは昔あったんだけどもうない、そうした忘れたものにたどり着いてもらう。

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