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「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ

ITmedia PC USER / 2024年4月23日 12時0分

―― IBMは、数年前まで「サービスカンパニー」になることを打ち出していましたが、2023年の動きをみると、「テクノロジーカンパニー」としての色合いを強く感じました。IBMは何の会社なのでしょうか。

山口 「テクノロジーカンパニー」であることを、特に強調するつもりはなかったのですが、結果として、その印象を強く持った方が多かったと思います。私自身は、2019年に日本IBMの社長に就任して以降、IBMが持つテクノロジーの強みについては訴求をしてきたつもりですが、2023年には半導体/量子/生成AIなどにおいて、IBMのテクノロジーに注目が集まったことで、「あれ? サービスカンパニーになるんじゃなかったっけ」とか、「半導体もやるのか」といった声が聞こえてきたのも事実です(笑)。

 IBMの姿を表現すると、以前と変わらず、テクノロジーとサービスの会社だといえます。ただ、米IBMのCEOがジニー・ロメッティだった時代には、ITシステム全体を見ることができるインテグレーターとしての訴求を前面に出したことで、サービスカンパニーという色合いが強くなったといえます。しかし、2020年4月に、研究部門出身のアービンド・クリシュナがCEOに就いて以降は、テクノロジーカンパニーとしての色合いが濃くなっています。

 IBMの立場から見ると、こうした最先端のテクノロジーがないと、5つの価値共創領域で掲げたITシステムの安定稼働やDX、サステナブルは実現できません。また、サービスを提供するにもテクノロジーを組み込むことが重要になります。テクノロジーの重要性は、これまで以上に増しているわけです。ですから、どちらかといえば、IBMはテクノロジーカンパニーであると言ってもらった方が適しているかもしれませんね。

●社会インフラを支えるITシステムの「1丁目1番地」は安定稼働

―― 2023年は、社会インフラを支える他社ITシステムの不具合が大きな問題となりました。日本IBMでは、5つの価値共創領域のうち、「社会インフラであるITシステムの安定稼働」を最初に掲げています。他社で発生している不具合を見て、日本IBMの姿勢にはどんな変化がありますか。

山口 安定稼働は当然のことではありますが、これを実現するには大変な努力を伴います。私自身、金融分野のシステム開発や保守を担当してきましたから、その大変さは身に染みて理解しています。

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