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iPhoneへの「マイナンバーカード」にまつわる誤解を解く プラスチックカードより安全だが課題もある

ITmedia PC USER / 2024年5月31日 18時0分

●そもそも「マイナンバー」「マイナンバーカード」は必要か?

 ここまでの説明で、iPhone上のマイナンバーカードが、プラスチックのマイナンバーカードよりも安全であることが理解してもらえたと思う。しかし、SNSを見ていると、“それ以前”の部分で疑問を持っている人も多そうなので、そのいくつかに答えたい。

「iPhoneだけ対応」は不正確

 まず「iPhoneだけに対応するというのは、公平性の観点からどうなのか?」といった意見をいくつか見かけた。

 ここに対する答えは明快だ。実は認知度が低いだけで、AndroidスマートフォンではiPhoneよりも前、2023年5月からマイナンバーカードの電子証明書を搭載できるようになっている。

 比較的新しい「おサイフケータイ」対応モデル(※1)であれば、マイナポータルへのアクセスや各種行政手続きのオンライン申請、コンビニエンスストアでの住民票の写しや印鑑登録証明の取得が利用できる他、証券口座の開設や住宅ローン契約なども行える。2025年度には、マイナ保険証としても利用できるようになる見通しだ。

(※1)新しいおサイフケータイのNFC/FeliCaチップは「GP-SE」と呼ばれるICチップを統合している。Androidスマホ向けの電子証明書は、Javaアプリ「JPKIアプレット」の一部としてGP-SE上に書き込まれるため、GP-SE非搭載の古いおサイフケータイでは利用できないことになる。なお、iPhoneのマイナンバーカードも同様の仕組みで実装される

 なお、対応機種はホワイトリスト式で、ハードウェア的な要件を満たしていても非対応とされることもある。詳しくはマイナポータルのFAQサイトで確認してほしい。

 なお、iPhoneのマイナンバーカードは2025年春時点で最新のiOSに対応するiPhoneで利用できる見込みだ。

「マイナンバーでプライバシーが筒抜け」も不正確

 また、そもそもマイナンバーの仕組みが必要なのか、という疑問を持っている人も少なくない。マイナンバー制度は一時、「国民総背番号制」と“やゆ”される向きもあった。この仕組みによってプライバシーが脅かされたりする危険はないのか――そのような疑問を持つ人も多い。

 その可能性が全くないとはいえない。しかし、それはiPhoneやAndroidスマホに搭載されるマイナンバーカードの機能ではなく、どちらかというとマイナンバーを使って、どのような情報を“集約”できるようにするのかという制度面の問題だ。ただし、マイナンバーを使って情報のひも付けを行うかどうかは個人の意思で行うことになっているので、プライバシーは自分でコントロールできる状況にある。

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