次世代CPU「Lunar Lake」でIntelが目指す“AI PC”とは? 驚くべき進化点と見える弱点、その克服法
ITmedia PC USER / 2024年6月4日 12時5分
Lunar Lake/Arrow Lakeの次のCPUは、2025年に登場予定の「Panther Lake」(開発コード名)となる。Panther Lakeは名前こそ出てきているものの、その詳細は明らかとなっていない。今回のイベントで使われた図版を見る限り、現行のCore Ultraプロセッサ(シリーズ1)と同様に性能重視のモバイル向けCPUとして登場するものと思われる。
●Lunar Lakeは既に量産開始済み
5月に掲載された記事にもある通り、Lunar Lakeの量産は既に始まっている。Intelのミッシェル・ジョンストン・ホルタウス氏(クライアントコンピューティンググループ エクゼクティブバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー)によると、20以上のPCメーカーが、80種類以上の製品の開発を進めているという。
また、ソフトウェア開発者向けに「Lunar Lake開発者キット」という小型デスクトップPCを提供し、アプリにおけるAIの利用を促進していくという。
●Foveros技術による「タイルアーキテクチャ」を引き続き採用
Lunar Lakeでは、Meteor Lakeと同様に異なる種類のタイル(ダイ)を“連結”する「タイルアーキテクチャ」(チップレット技術)を採用している。タイルの連結にIntel独自の「Foveros技術」を適用していることも同様だ。
本CPUの場合、メインとなる「Computeタイル」と、周辺I/Oをつかさどるチップセット的な役割を果たす「Platform Controllerタイル」を「Baseタイル」を介して連結する構造となっている。
ComputeタイルはTSMCの「N3Bプロセス(3nm)」、Platform Controllerタイルは同じくTSMCの「N6プロセス(6nm)」を採用している。後者が数世代枯れたプロセスを採用しているのは、コスト的な理由とComputeタイルよりも高い電圧を取り扱うダイとなるため、配線幅が太い方が電気的に安定するためだ。
一方、BaseタイルはIntel内製で、事実上「配線しかないダイ」(トランジスタのないダイ)となる。「配線の微細度が高い基板」だと考えればいいだろう。製造プロセスには「1227.1」という記号名称が与えられているが、実態としては22nmプロセスだそうだ。
オンメモリパッケージであることにも注目
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