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次世代CPU「Lunar Lake」でIntelが目指す“AI PC”とは? 驚くべき進化点と見える弱点、その克服法

ITmedia PC USER / 2024年6月4日 12時5分

●新GPUコアは「Xe2」(開発コード名:Battle Mage)

 Lunar Lakeでは、内蔵GPUコアが「Xe2」(開発コード名:Battlemage)に刷新される。先のAlchemist(開発コード名)世代では、独立GPUである「Intel Arc A-Series Graphics」(Xe-HPG)と、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)に統合された「Intel Arc Graphics」(Xe-LPG)の2種類が存在していたが、Intelによると、Battlemageでは単に「Xe2」と呼称するという。

 GPUコアに関する詳報も別の記事で取り上げる予定だが、「そんなこと言わないで……」という声もあると思うので、この記事でも概要を紹介する。

 Lunar Lakeに内蔵されたXe2は、簡単にいうと「細かいチューニングを施した、Xe-HPGの改良版」となる。Xeコア(グラフィックスエンジン)は、Xe-LPGと同じく最大8基だ。

 一番の改良ポイントは、ベクトル演算を担う「XVE(Xe Vector Engine)」のSIMD(Single Instruction/Multiple Data:並列処理を行う際の手法の1つ)の実行レーン数が8レーン(SIMD8)から16レーン(SIMD16)に倍増した点にある。

 ただし、Xeコア1基当たりのXVEの数は、先代から半減している(16基→8基)。そのため、演算器の総数は以下の通り変わらない。

・先代(Alchemist)のXVE:SIMD8×16=128基

・BattlemageのXVE:SIMD16×8=128基

 この変更は、XVEに関する設計方針を変えたことを意味する。簡単にいうと処理できるスレッド数を半分に下げる代わりに、一度にこなせる演算の密度を増やしたということだ。具体的なグラフィックス処理系で例えると、「たくさんのシェーダープログラムを動かす」ことよりも、「複雑なシェーダープログラムを短時間で終える」ことを優先するようになったともいえる。

 読者の皆さんの中には「SIMD8からSIMD16の変更って、意味あるの?」と疑問に思う向きもあるだろうが、実際はアプリ側の“流行”に合わせて演算処理のトレンドが変わることも珍しくない。

 例えばAMDのRadeonシリーズは、「GCN(Graphics Core Next)アーキテクチャ」の時代はネイティブSIMD16演算を行っていた。しかし「RDNAアーキテクチャ」以降では、ネイティブSIMD32演算に切り替わっている。NVIDIAのGeForceシリーズはSIMDを拡張した「SIMT(Single Instructon/Multiple Threads)」を32スレッドで演算している(SIMT32)。

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