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次世代CPU「Lunar Lake」でIntelが目指す“AI PC”とは? 驚くべき進化点と見える弱点、その克服法

ITmedia PC USER / 2024年6月4日 12時5分

 一方、メディアエンジンやディスプレイ出力回りは、時代に合わせて順当に進化している。

 メディアエンジンはAV1のエンコード/デコードに加え、新世代コーデック「H.266(VCC)」のデコードにも対応する。これは業界最速だという。

 最近のIntelのメディアエンジンは、AMDやNVIDIAよりも最新技術への対応が早い。振り返ると、今では当たり前となったAV1コーデックのハードウェアデコードも、最初はAlchemistアーキテクチャのGPUだった。

●NPUコアはCore Ultraプロセッサ(シリーズ1)比で3倍に増量

 Lunar Lakeには、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)で搭載されていた「NPU 3」の進化版となる「NPU 4」が搭載されている。

 NPU 4は、NPUコア「Neural Compute Engine(NCE)」の基数をNPU 3の3倍に当たる6基に増量している。NCE1基当たりの演算能力は、FP16(16bit浮動小数点演算)で1クロック当たり1024回、INT8(8bit整数演算)で1クロック当たり2048回で変更はない。

 また、NPU 4には推論プロセッサの他、128bitのSIMD-VLIWプロセッサである「SHAVE(Streaming Hybrid Architecture Vector Engine) DSP」も引き続き搭載されている。SHAVE DSPはNCE1基当たり2つ、合計で12基が搭載されている。

 余談だが、SHAVE DSPはIntelが2016年に買収したMovidiusが設計したDSPである。

 Intelが公称するNPU 4の公称スペックは、INT8演算時で48TOPSだという。ここからINTの理論性能値を計算すると、以下の通りとなる。

2048OPS×2 NCE×2 OPS(積和算)×1.4GHz=11.47TOPS

 このことを踏まえて、48TOPSから逆算すると、こんな計算式ができる。

48TOPS=2048OPS×6 NCE×2 OPS(積和算)×X GHz

 上の計算式における「X」は、NPU 4の動作クロックだ。この式をXについて求めると、「X≒1.953GHz」という値が出てくる。概算ではあるが、Lunar LakeのNPU 4は1.953GHzくらいで動作しているものと思われる。CPUコアのクロックも、同じだろう。

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