1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

WWDC24で見えたAppleのもくろむ未来 “5+1”の視点で読み解く

ITmedia PC USER / 2024年6月20日 13時0分

 そのためキーボードからパスワードを入力する手間が無くなり、パスワードをのぞき見される危険性もなくなる(その分、Apple IDが盗まれると大変なことになるが、そこは不審なログインを検知すると、他の機器からの承認を求める現在の設計が有効だという前提に基づいている)。

 個人的に効果を期待しているのはメールアプリの新機能で、航空会社や宅配業者などから送られてきたメールを表示する際、その上に会社のロゴなどを大きく表示して、どこからのメールかの視認性を高める機能が加わっている。最近多いフィッシングメールは、こうした企業や業者を偽っていることが多い。

 もし、この機能がそうした悪質なメールと本物のメールをちゃんと区別してくれるなら、詐欺撲滅の大きな一助になるので大いに期待を寄せている。もし、最初の仕様がそれほどちゃんと送信者を確認していなくても、今後、電子署名を使ってしっかり送信者確認をすれば、かなり画期的と言えるのではないだろうか。

 そういう手間のかかる仕事こそ、Appleのような巨大企業にしかできないことだ。是非とも、そういった方向性の機能としてブラッシュアップしてもらいたい(できればSMSにも同様の機能を提供して欲しい)。

●異なる機器を1つにつなげる「OS間連携」

 さて、最後に「OS間連携」の機能をいくつか紹介したい。異なるデバイスを使っていても、クラウドを通してちゃんとデータが共有される。これは既に他の機器でも当たり前の現代の常識だ。しかし、Appleはこれに加えて機器間での操作などの連携に非常に大きな力を注いできた。

 ハードもソフトもクラウドサービスも全て1社で作っているからこそできる高度な連携は、今やApple製品の大きな強みとなっているが、WWDC24では、この連携が今後、さらに進むことを示していた。

 最も驚いたのが、Macの画面上で自分のiPhoneを操作できるようにする機能だ。これまでもiPhoneの画面をMac上にミラーリングすることはできた。しかし、新機能はそれとは異なる。例えば、自分のiPhoneが隣の部屋でロック画面の状態で充電中でも、Mac画面上にそのiPhoneと全く同じデータが入った、バーチャルなiPhoneが再現され、これをマウスとキーボードで操作したり、Mac上の写真や動画、その他のファイルをドラッグ&ドロップ操作でiPhoneに転送したり、iPhoneに届いた通知をMac上で受け取ったりが可能になる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください