1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

WWDC24で見えたAppleのもくろむ未来 “5+1”の視点で読み解く

ITmedia PC USER / 2024年6月20日 13時0分

 これを可能にしてきたのが、毎年少しずつ積み重ねられてきたさまざまな「パーソナライゼーション」の機能だろう。

 新しいiOS 18では、ホーム画面のパーソナライゼーションがさらに一歩進むことになる。現在は、せっかくお気に入りの壁紙写真を選んでも、その上をアプリのアイコンが覆い隠してしまっていた。iOS 18とiPadOS 18では、アイコンをもっと自由に配置できる。例えば壁紙の被写体を覆わないように背景部分の上だけにアイコンを並べるといった配置ができる。

 また、アプリのアイコンの色調を変えられるようにもなる。通常のアイコン表示も可能だが、新たに黒背景を基調にしたダークというアイコン表示のモードが加わり、さらにはアイコンの色彩を統一して同一色で描く表示モードが加わる。

 自分自身、ホーム画面でも自分の世界観を表現していきたいと思っているので、大変楽しみにしている機能だが、一方で標準のカラーピッカーで無限に近い選択肢から、ユーザーに好きな色を選ばせるという実装の仕方が少しAndroid的というか、これまでのAppleっぽくないなと感じる部分もあった。

 色選びにはセンスやスキルが問われる部分があり、スキルのない人が間違った色選びをすると、とんでもなく悪趣味なホーム画面にもなりかねない。これまでのAppleのデザインなら、壁紙から特徴色をピックアップして、相性の良い色を計算して「この3色の中からどうぞ」といった形で、ユーザーが間違った選択をしないための補助を行うもう少し親切な設計になっていたのではないかと思う。

 WWDCで発表された機能は、デベロッパーらの意見を受けてリリースされるまでに改善されることも多い。この機能の実装は個人的に是非とも改善して欲しいと思っている。

 さて、パーソナライゼーションと言えば、個性がさらに重視されるのがApple Watchだ。watchOS 11では、写真の文字盤が、最も見た目を自由にカスタマイズできる文字盤へと進化している。写真はあらかじめ指定したコレクションの中からOSが自動的に選んで表示する仕様だが、そこに重ね合わせ表示する時刻の文字種(アラビア数字以外も選べる)や色、レイアウト(表示位置)などをカスタマイズできる。

 Apple Watchに触れたついでに、パーソナライゼーションの機能ではないが、健康機能の変化にも少しだけ触れよう。

 watchOS 11では新たに「バイタル」といういくつかの健康指標を標準状態と比較する機能が追加される。対象になっているのは心拍数/呼吸数/腕の温度/血中酸素濃度、そして睡眠時間などだ。まずwatchOS 11を使い始めて4週間はひたすら記録を取り続けて、利用者にとっての標準的な状態を探り出す。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください