1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

保護等級“IP53”の「TOUGHBOOK FZ-55」は“激しい雨”で使い物になるのか?

ITmedia PC USER / 2024年7月29日 17時5分

 これらの試験における落下距離に違いがある。FZ-40は180cmに耐えられるのに対し、FZ-55は90cm、同様に非動作試験でFZ-40はコンクリート90cmであるのに対し、FZ-55は合板76cmとなっている。

 頑丈さの性能で重視される防塵防水滴性能では、JISが定める(そしてその国際規格としてIECが定める)IPコードを用いて示している。こちらもFZ-40がIP66なのに対し、FZ-55はIP53にとどまっている。

 IP指標では左の値(第一特性数字)が外来固形物に対する保護等級(=防塵性能)、右の値(第二特性数字)が水の浸入に対する保護等級(=防水性能)を示している。

 防塵性能においてIP6Xが「粉じん試験機内で一定の負圧を作りだした状態を8時間連続で実施し、機器内部に粉じんが一切入らない」ことを確認するのに対して、IP5Xは「粉じん試験機内で標準大気圧を維持した状態を8時間連続で実施して機器内部に許容範囲内の粉じんが入るが、機器の正常な動作を阻害しない」ということを確認できればいいとしている。

 防水性能においては、IPX6が高圧ウォータジェット(12.5mmノズル)を使って各方向から圧力100kPaから150kPaで毎分100L噴射した水に3分間耐えることを求めているのに対し、IPX3はスプレーノズル(直径0.8mm)を使って垂直から60度以内の角度で毎分0.7Lを低圧で噴射して10分間耐えられればいいというものだ。

 防水性能を示すIPコードのそれぞれで定義とその要約、試験内容は具体的に定められている。IPX6ならば「暴噴流(powerful jet)に対して保護できる」=「あらゆる方向からのノズルによる強力なジェット噴流水によっても有害な影響を及ぼしてはならない」のに対して、IPX3は「散水(spraying water)に対して保護できる」=「鉛直から両側に60度までの角度で噴霧した水によっても有害な影響を及ぼしてはならない」としている。

 とはいえ、その試験内容が自然現象である天候のどの程度に相当するのかを具体的に示す客観的規定はない。その代わりに「防滴」「生活防水」「耐水」「防水」や「防霧」「生活防水」「水洗い防水」「水中防水」など業界団体やメーカーなどによってユーザーの実利用場面に合わせた基準を独自に提示する例がある。

 その中に、日本写真機工業会(JCIA:1954年4月発足、2002年6月解散。後継団体としてカメラ映像機器工業会が2002年7月に発足)が1997年にまとめた「防水カメラの種類と表示」において、保護等級ごとに具体的な降雨条件と照らし合わせた指標が提示されている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください