保護等級“IP53”の「TOUGHBOOK FZ-55」は“激しい雨”で使い物になるのか?
ITmedia PC USER / 2024年7月29日 17時5分
保護等級3および4に関しては「10mm/分の降雨量で5分の試験(総降雨量50mm)は単位時間当たりの降雨強度としては強い雨に相当し、さらに総降雨量で激しい雨(筆者注:日本気象協会が予報作業指針で“激しい雨”と表現する基準の降雨量は1時間当たり40~50mm)のレベルを超える降雨量に当たる」としている。
「なんだ、IPX3でも結構タフじゃん」と筆者は思う。ただし、試験時間が5分と短時間であること、日本気象協会が定める激しい雨の降雨量が“1時間当たり”と試験時間と比べてはるかに長時間であることを勘案して、ドキュメントでは保護等級3および4に関する考察の末尾に「実際の最大雨量の長時間撮影を考慮しない前提で生活防水形(=同じドキュメントでごく短時間の小雨での撮影は可。水洗いは不可と定めている)」と記述している。
加えて、保護等級3の試験内容にあるように、散水方向が試験対象機器の鉛直から周囲60度までの範囲に限られる。これは、降雨を想定しているからではあるけれど、FZ-40で実施する保護等級6の「実際に水がかかるおそれのある全ての方向から」と比べると水のかかる方向は限定される。
実際のフィールドワークでは激しく降っている状態の雨粒は地面に当たって相当の量が跳ね返る。「水がかかるおそれのある全ての方向」はその跳ね返りも想定した試験条件ともいえる。
●FZ-55を「激しい雨」で使ってみた
「えー? 結局のところ、ゲリラ豪雨みたいな土砂降りのときにIP53のFZ-55は使えるの? 使えないの?」
というわけで、雨が降る梅雨空の中、船に持ち出してFZ-55の使用感を検証してみた。評価作業を始めた当初、梅雨独特の「しとしとじめじめといつまでも降り続ける雨」のフィールドテストになると思っていたのだが……。
雨雲レーダーに、“赤色”のエリアがいきなり発生して実験海域に近づいてきた。赤色はすなわち1時間当たりの降水量が50mmを超える「激しい雨」の予報だ。図らずも「IPX3で耐えられる?」としていたギリギリの降水条件での評価作業となった。
50mmを超える激しい雨となったのは正味30分程度だ。たたきつけるように雨粒がFZ-55に降り注ぎ、ボディーに当たってしぶきを上げるほど。しかし、そのような状況でもFZ-55は正常に起動し続け、キータイプを正確に認識し続けた。
「なんだ、やるじゃん。いろいろな意味で“ライト”になったとはいえ、さすがTOUGHBOOK!」
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