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PC畑を歩んできたエプソン販売の栗林社長が改めて「お客さま」本意の方針を掲げる理由

ITmedia PC USER / 2024年8月7日 12時0分

 先ごろ、灘中合格の実績では日本一の実績を持つ浜学園でもStudyOneが採用されました。StudyOneは、塾に通う生徒や保護者、学習塾が何に困っているのかを考え抜いた結果、プリンタが持つ機能を活用して生まれたサービスです。

 生徒には、塾では勉強できるが自宅での学習がはかどらなかったり、自ら学ぶ習慣が身につかなかったりといった困りごとがありました。また、学習塾では、塾にいるとき以外、生徒の学習をサポートできないという課題があります。そこに、オンライン学習のようにデジタルだけで対応するのでなく、プリンタを活用して、紙を利用することで学習効果を高めるといった仕組みを導入することで、課題解決と高い効果を実現することを目指しています。

 つまり、学習塾のノウハウを生かしながら、困りごとを解決するサービスとして提案することができたわけで、「行動の軸をお客さまに置く」こと、「モノからコトへのシフト」をした結果、実現した取り組みの1つだといえます。

 また、これは「成熟領域の深化」といった点でも成果の1つだといえます。コンシューマー向けプリンタを自宅での年賀状印刷や写真印刷だけでなく、学習塾のサービスに活用することで、新たな価値を提供することができるようになるからです。技術は成熟してこなれていますが、お客さまに使いこなしてもらったり、課題を解決したもらったりするために、深化させる取り組みが重要になります。

 先に触れた全社プロジェクトでも、それぞれの営業部門がこれまで担当していた領域へのアプローチに留まらず、お客さまの困りごとを把握し、そこにエプソンはどんなお役に立てるのかといったことを可視化し、必要であればスタディラボとの協業事例のように、パートナーとの連携によってサービスを提供していくことにも取り組みます。

 既にお客さまとの対話を通じて、知らなかった課題に気が付き始めたという成果も上がっており、これを1年後にはいくつかのソリューションとして提供したいと考えています。

●徹底してオペレーションを磨き上げたPCビジネス

―― 顧客に寄り添うといった姿勢に加え、PCビジネスを通じて他に学んだ要素はありますか。

栗林 もう1つは、オペレーショナルエクセレンスです。オペレーションを磨き上げることは大切なことであり、これがビジネスの強さに直結することを学びました。エプソンダイレクトはWebで注文を受けると、そのまま生産工程にデータが流れ、1日でカスタマイズしたPCを生産し、出荷できるという体制を整え、これが大きな差別化になっています。

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