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お客さまの悩み事を解決して時を生む! コロナ禍を経てTOKIUMが“脱皮”したワケ

ITmedia PC USER / 2024年8月27日 12時0分

―― ちなみに、家計簿アプリ「Dr.Wallet」のビジネスは黒字化しているのですか。

黒崎 今は子会社のBearTail Xで事業を継続しており、全体として黒字化しています。今後は生成AIを利用して、支出に対するアドバイスをするといったことも可能になりますから、ビジネスを拡大するチャンスがあると考えています。

―― TOKIUM経費精算は、どんなところが評価されたのですか。

黒崎 最初はスマホを使ってレシートを撮影するだけで、経費精算ができるアプリという使いやすさが評価されました。ただ、このアプリの利用企業が爆発的に増加したのは、あるサービスを付加したことでした。

 社内にポストを設置して、レシートをスマホで撮影した後に、このポストに原本を捨ててもらい、これを回収するサービスを開始したのです。これによって、オフィスの中では完全なペーパーレス化を実現できること、原本は法律にのっとって当社が整理して10年間保管し、その後は正しく廃棄しますから、安心してデジタル化を進めることができるのです。単にレシートをデジタル化するだけでは、ニーズには応えきれていないことが分かり、このサービスを開始したわけです。

 2019年1月に、領収書のデータ化/回収/点検/保管まで一括代行する「Dr.経費精算 ペーパーレスプラン」の提供を開始したところ、12カ月で業績は3倍に拡大しました。お客さまからは、「法律に準拠しながら、ペーパーレス化するのは無理だと思っていたが、TOKIUMのアプリとサービスを利用することで実現できた」という声をいただいています。

 特に、大手企業のお客さまからの評価が高いですね。今、当社が保管しているお客さまの領収書は、10トントラックで5台分ぐらいになるかもしれないですね。

●信頼度と知名度が欠かせない 社名変更して新たな挑戦

―― コロナ禍で、TOKIUMのビジネスはどう変化しましたか。

黒崎 コロナ禍の当初は出社することができないという企業が多かったこともあり、それまで大きく成長してきた新規契約件数が、一転して全く伸びないという事態に陥りました。また、企業が取り扱う領収書の数が減りますから、既存のお客さまに対するビジネスも減少していきました。当社にとっては、大きなピンチです。

 そうは言っても営業部門はやることがありませんから(笑)、まずは、お客さまに連絡をしてみました。すると、コロナ禍にも関わらず、経理部門の方々は出社をしていて、すぐに電話がつながりました。出社の理由を聞くと、契約書のデジタル化は少しずつ進んでいたものの、請求書は物理的にオフィスに届いてしまうため、経理部門の方々が、その処理のために出社しなくいはならない状況があちこちで発生していたのです。

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