1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

お客さまの悩み事を解決して時を生む! コロナ禍を経てTOKIUMが“脱皮”したワケ

ITmedia PC USER / 2024年8月27日 12時0分

 ユーザーは無料で利用できる一方で、私たちが収益を得るには、収集したデータを加工して販売するとか、ユーザーに広告を視聴してもらうとかが中心となるのですが、Facebookなどの成功を見て、最初は赤字でも、いいものを提供し続けて利用者が増えれば、収益が生まれるはずだという妄信を実践してしまったところに反省があります。

 全ての事業が決してそうはなりません。やり直すことができるのであれば、1人増えれば、1円でも収益が生まれるという仕組みを最初から構築し、それをスケールすべきだったと思っています。

 ただ、会社を維持するためには事業転換をしなくてはなりませんし、サービスを終了すると多くの人たちにご迷惑をおかけします。そのときに考えたのが、家計簿アプリで培ったレシートのデータ化エンジンを、B2B向けに展開することでした。出資をいただいていた金融機関からは、B2C向けでやり切ってほしいとはいわれていたのですが、私自身、B2Bにこのエンジンが使える可能性を感じていました。

 そのきっかけの1つが、創業後に「KDDI ∞ Labo」に参加したときの出来事でした。

 KDDIのような最先端の大手通信会社の社員がコピー機を使って領収書をコピーし、原本はノートにのり付けして管理している様子を知って、とても違和感を持ったのです。不思議に思って、他の大手企業の社員にも聞いてみたのですが、どこも同じことをしている実態が分かりました。

 法人向けの経費精算システムを見てみると、「何十年前のシステムなの?」と思えるようなものばかりで、B2Cでは当たり前だったスマホアプリでレシートを撮影し、経費の管理ができるといったような体験をどこも提供できていないことが分かりました。

 私たちがB2Cで培ったノウハウを、そのままB2Bに持ち込めば、多くの人に喜んでもらえるのではないかという読みがありましたね。

 本当はB2Cで、格好いいビジネスモデルで事業をやることに憧れていたのですが(笑)、B2Bでは困っている目の前の人たちの課題を解決し便利さを感じてもらい、継続的に貢献でき、そこから対価をいただくというビジネスモデルが自分に合っていることに、そのとき気がつきました。

 八百屋さんが毎日おいしい野菜を販売して地域の人たちに喜ばれたり、新聞配達をしてもらったりすることによって、毎朝、自宅で新聞が読めるといったことと同じです。お客さまに喜んでもらうために、絶対に投げ出さないという仕事が、私には合っているようです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください