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複雑化した日本のキャッシュレス決済を再びシンプルに JCBと九大発のベンチャーが挑戦する「画期的購買体験」の提案

ITmedia PC USER / 2024年9月6日 14時0分

 ゆえに、他人との会話が苦手なZ世代やα世代の人も、レジ係と会話をせずに会計を済ませられる(個人的には、敬意を示してあいさつの会釈くらいはしてほしいところだが……)。

 このサービスの裏側の技術や仕組みを、技術に詳しい人向けに簡単に説明しよう。

 実はレジの列に並んでいる時点から購入客のスマホ側もレジの側もBLE(Bluetooth Low Energy)の技術で、決済に向けての準備は始めている。その後、順番が回ってきてレジの前に立つと、今度はUWBという技術が表に立ちユーザーがレジの至近距離にいるか否かを認識する。

 UWB無線は10cm以下の精度で距離を測定できることが特徴で、Appleの忘れ物防止タグ「AirTag」にも使われている。スマホでは、iPhone 11以降のiPhone、Google Pixelの一部(※1)、Samsung Galaxyの一部(※2)などで利用可能だ。

(※1)Pixel 6 Pro以降の「Pro」モデル(Pixel 9 Pro XL、Pixel 9 Pro Foldを含む)と、Pixel Fold(※2)Galaxy Note20、Galaxy S21+/S21 Ultrai以降の「S+」「S Ultra」モデルと、Galaxy Z Fold2以降の「Galaxy Z Fold」シリーズ

 忘れ物防止タグ以外でも、Appleが「AirDrop」の快適さ(送信先の特定精度)向上に活用していたり、幾つかのメーカーの自動車においてデジタルキーで使われたりしているが、“まだまだ”広く使われているとはいえない状況だ。

 もしかすると、近づいてチェックはUWB無線による通信の大きなブレイクスルーのきっかけになるかもしれない。

 先述の通り、このサービスは大阪市で開催されるFiRa Consortiumのイベントでも紹介される予定だが、「そもそも『FiRa Consortium』って何?」という人もいると思うので紹介しよう。

 FiRa ConsortiumはUWB無線技術を推進する業界団体で、FiRaは「Fine Ranging(高精度距離測定)」の略に由来する。主要な参加企業としてはドイツのBosch(ボッシュ)、オランダのNXPの他、Apple、Google、Samsung Electronics、Cisco Systems、Qualcommなどがある。

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