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複雑化した日本のキャッシュレス決済を再びシンプルに JCBと九大発のベンチャーが挑戦する「画期的購買体験」の提案

ITmedia PC USER / 2024年9月6日 14時0分

 JCBからの相談を受けたiQ Labは、Z/α世代に対して買い物に関する調査を行ったところ、購買体験の煩雑化が客にとって大きなストレスになっていることに加え、レジ作業をする店員の負担増や接客トラブルの原因になっていることが改めて明らかになった。

 キャッシュレス決済の多様化やポイントプログラムの増加、会員証アプリやデジタルクーポンの普及、環境対策……など、さまざまな要素が重なって、レジでの決済時に客が意思表示をしなければならないタスクが増えた。その結果、店員との口頭確認が増え購買体験が煩雑化。聞き間違いや伝え間違いによるトラブルも多く発生している。

 このことは店員との対話に苦手意識を持つ若者が買い物を敬遠する一因となりうるだけでなく、「できればヘッドフォン(イヤフォン)を付けっぱなしにしていたい」という今時のライフスタイルにも合致しない。

 そこでiQ Labがデザインした購入体験が、近づいてチェックなのだ。

 本サービスが目指したのは、購買体験のワンストップ化だ。先述の通り、UWB無線を搭載したスマホに事前の設定を行っておけば、決済だけでなくサービスの要望も自動で伝達できる。聞き間違えなどのミスも防げるという意味で、画期的な購買体験ともいえる。

 ただ、「いつもは弁当を温めないけど、今日だけは温めたい」「いつもは割り箸はいらないけれど、今日は必要」といったイレギュラーもあるだろう。その点については、レジの画面からその場で変更できるようになっている。

●世界を目指せる日本の技術

 近づいてチェックは体験設計としても優れており、筆者はこの技術が広まれば、日本は再びモバイル決済体験で世界のリーダーの座に返り咲けるかもしれないと感じた。

 かつて、日本はモバイル決済の先進国だった。携帯電話/スマホに交通系ICカード(Suica/PASMO)を入れておけば、首都圏を中心に電車/路線バス/タクシーなどさまざまな公共交通に乗車できる上、いろいろなお店での買い物や食事を楽しめる。タッチだけで載ったり支払ったりできる体験は、世界から称賛されていた。

 しかしその後、交通系ICカードと同じFeliCa技術を使った非接触決済サービスが“乱立”し始め、さらにはQRコード決済サービスも“乱立”した。乱立の連続によって、モバイル決済は極めて複雑で手間の掛かるものとなった。

 店頭のレジにもよるが、まず「タッチ決済」「(QR)コード決済」「クレジットカード」「現金」といった支払い手段を選ばなければならない。特にコード決済の場合、レジシステムによっては乱立するサービスの中から1つを選ばなければならない。そしてスマホで表示したQRコード/バーコードをレジで読み取ってもらうか、スマホで店頭に掲示されているQRコードを読み取って支払い額を入力する必要がある。

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