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新型Macに搭載された「M4チップ」「M4 Proチップ」の実力は? 実機をテストして分かったこと

ITmedia PC USER / 2024年11月7日 23時5分

 絶対的な性能は予想の範囲内ではあったものの、消費電力や発熱の面では期待値を少し下回っていたように思う。

 しかし、ベンチマークテストをしてみて感じたが、今回のM4ファミリーは再び元の立ち位置に戻ったと思う。テスト中に他のApple Siliconとの関係について触れたが、性能が大幅に向上し、より多くのコアが同時に動作するシーンが多くなったにも関わらず、M3ファミリーを搭載するMacと比べるとサーマルスロットリングを含む発熱にまつわる問題が緩和されている。

 14コアM4 Proチップ搭載のMac miniと14インチMacBook Proでストレステストをすると、14インチMacBook Proの方が高周波方向の冷却ノイズが発生しやすいが、冒頭で触れた通り性能差はわずかだ。

 別の視点で見れば、M4ファミリーは電力効率が向上した分を特にCPUコアの構成をアグレッシブにすることに回したとも考えられる。M3 ProチップはPコア最大6基+Eコア6基という12コア構成だったが、M4 ProチップではPコア最大10基+Eコア4基という“Pコア偏重”構成となった。パフォーマンスの向上は、Pコアの大幅増による面が大きい。

 こうしたCPUコアの構成変更も、SoC全体の電力マネジメントがより優れたものになったからといえるのではないだろうか。M3 Proチップの登場時、「高い性能を求めるニーズはMaxチップに任せ、Proチップはもっとベースグレードに近いところを狙う」と方針転換すると思っていたのだが、M4ファミリーでは「Proチップは無印チップとMaxチップの中間」という位置付けに戻され、かつての上位バリエーションを脅かす存在になった。

●M4 Ultraチップの登場はあるのか?

 こうなると、当面は「M4 Ultraチップは登場するのか?」ということに焦点が集まる。

 オンラインのベンチマークテストのデータベースには、既にM4 Maxチップに関する情報もアップロードされている。それらと今回の結果を照らし合わせれば、M4 Maxチップの位置付けもおのずと見えてくるだろう。

 個人のクリエイターが求める(必要な)性能は、今回の発表で出そろったM4ファミリー“だけ”でも十分にカバーできるだろう。ベースグレードのM4チップでも、「自宅でデスクトップPCを使っていろいろな動画を編集する」という使い方に十分耐えられるだけの可用性は備えている。クリエイターにとっても、十分に魅力的な性能を備えているのではないだろうか。

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