エプソンダイレクトのデスクトップPCを一手に担う「ちくま精機」 訪ねて分かった1日修理や短納期を実現する“秘密”
ITmedia PC USER / 2024年12月17日 17時30分
「売ったモノ(PC)、ユーザーが困りごとを解消する」のではなく、「困りごとの解消“そのもの”を販売する」という姿勢にシフトしていくのだと、同社は強調する。
さらに、受注から2日間での製品出荷や4億通りのBTOへの対応、土日を含む到着後1日での修理サービスの実現や、最長7年間の定期保守サービスの提供といったように業務に最適なPCを提供し、業務を止めないための体制を敷いている。これらのエプソンダイレクトならではの仕組みも、ユーザーから高い評価を得ているという。
●ユニークな組み立てプロセスを採用するちくま精機
先述の通り、エプソンダイレクトのデスクトップPCの生産と、デスクトップPC/ノートPCなど各種修理はちくま精機が担当している。一方、ノートPCの生産はアイテク(長野県喬木村)が行っている。
今回の取材では、ちくま精機のデスクトップPCの生産ラインと修理ラインを見学してきた。
ちくま精機では現在、スタンダードPC「Endeavor ATシリーズ」や、拡張性の高いミニタワーPC「Endeavor MRシリーズ」、コンパクトデスクトップPC「Endeavor SGシリーズ」「Endeavor STシリーズ」、プロフェッショナル向けのハイエンドPC「Endeavor PROシリーズ」を生産している。
エプソンダイレクトは、出荷台数全体に占めるデスクトップPCの比率が高いのが特徴で、ちくま精機での生産台数はエプソンダイレクト全体の約半数を占めているとのことだ。注文から2日間で出荷を行い、しかも4億通りのBTOを可能としている点が特徴だ。
ちくま精機での生産分は全てがBTOによる受注生産で、需要予測に基づく計画生産は行っていない。受注情報をもとに、部品倉庫から部品を調達し、確保できたものから順次組み立て指示を行い、製造銘板(シリアルナンバーラベル)を印刷し、組み立て工程に入る――という流れで生産は進む。
かつては「組立指示書」を使っていたそうだが、現在はこれを廃止し、製造銘板を使って管理を行っているという。シリアルナンバーさえあれば、生産内容に組み入れるハードウェア/ソフトウェアの確認を行える。
ちくま精機の生産手法にはユニークなポイントがある。それは「本体の前組み」「ストレージへのOS/ソフトウェアのインストール」「マニュアルのセット」の3工程を同時並行で開始し、最終的にそれらを組み合わせて1台のPCを作り上げることだ。これが、受注から2日での出荷を実現することにつながっている。
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