1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

エプソンダイレクトのデスクトップPCを一手に担う「ちくま精機」 訪ねて分かった1日修理や短納期を実現する“秘密”

ITmedia PC USER / 2024年12月17日 17時30分

 OSのイメージファイルや検査プログラムなどは、15分ほどでインストールが完了する。書き込み作業は機種を問わない「共通部分」と、機種やオプションによる「個別部分」に切り分けて行うことで、約3年前と比べて所要時間は半分程度になったそうだ。

一部の書類は「オンデマンド印刷」を実施

 同じく前組み行程と並行して行われるマニュアルのセット工程でも、DPSは活用されている。四角く囲まれたエリアで、必要なマニュアルや添付書類などを、ランプの光る棚からピッキングする。必要な書類を取り終わると、エリア内に流れる音楽が止まり、作業の完了を音でも認知できるようになっている。

 ちなみに、この工程では「オンデマンド印刷」も活用されている。必要な書類を必要な枚数だけ印刷し、それをピッキングするのだという。事前に用意する印刷物を減らすことで、環境負荷を軽減している。

組み立て工程は10個のセルで実施

 先述の通り、本体の組み立て工程もセル生産方式だ。セル(ブース)は10個用意されており、基本的には1つのブースで複数の機種を作る混流生産となる。

検査工程は熟練工が関与

 組み立てが終わると、内観/安全検査を経てコンフィグテスト込みの機能検査が行われる。先述の通り、これらの検査に合格するとPCは“完成”となる。

 検査には熟練工を関与させることで品質を高めているという。

梱包工程も一部を自動化

 梱包工程でもDPSは活用されている。貼付するラベル類、封入する本体やマニュアル/付属品の間違いを防ぐためだ。出荷する前の最終工程ということもあり、指さし確認も行うことで念には念を入れているようだ。

●リファービッシュPCの「生産」も実施

 エプソンダイレクトの新たな取り組みの1つであるリファービッシュ(メーカー再生)PCの生産も、ちくま精機で行われている。

 リファービッシュPCは、「無料貸し出しプログラム」による貸出用機材、展示会などで短期間使用した製品、外観の小さなキズ/汚れを理由に返品されたPCなどをクリーニング、検査や必要な修理を行って再生したものだ。通常の新品PCと同等の品質とした上で販売される。

 新品PCと同等の品質ということで、各種保証はもちろん、保守サービスも通常通り適用/加入できるので、安心して使える。それでいて、通常の販売価格から約30%引きで購入できるなど、おトクさもメリットに挙げられる。

 この取り組みはエプソングループの環境活動の一環でもある。リファービッシュPCでは、従来なら廃棄対象だった部材の再利用も行うため、資源循環にポジティブな効果をもたらすからだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください