1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

日本の自動車分野と「AI」「コンピュータ技術」で連携――LenovoのルイCTOに聞く

ITmedia PC USER / 2025年1月7日 12時31分

 一方、インフォテインメント分野のDCUはどのようなもののだろうか。

 (重要視している)もう1つのインフォテインメント向けDCUは、まさにLenovoのDNAに合致したものだ。私たちはPC、タブレット、スマートフォンまで多くのデバイスを扱っているが、もしLenovo自身が車載用DCUを手がけたら、これらデバイスは全て接続され、単に車内エンターテインメントを提供するだけでなく、ネットワークを通して車内の別のデバイスと情報を共有できる。 例えば私がスマホを車内に持ち込んで音楽を聴こうとした場合、標準では2つのスピーカーでしか聴けないが、車内であればより多くのスピーカーで聴ける。12個のスピーカーが搭載されていれば、それらを駆使して7.1チャンネルのサウンドを楽しむことも可能で、より良い体験を得られるだろう。 少し視点を変えると、DCU単体では提供が難しくても、車内に持ち込んだスマホやタブレットを駆使することで提供できるサービスもある。

●「自動運転AI」はどこまで信用できるのか?

 先日の「Snapdragon Summit」のレポートでも触れたが、AI半導体の現状は“日進月歩”という言葉が似つかわしい。

 取材を通して得た印象的なコメントの1つとして、「コンシューマーの世界では、AI推論で求められる回答は『スピード』『消費電力』重視であり、『精度』はそこまで求められない。逆に、自動車の自動運転を担うADASでは『精度』こそが重要であり、目的を考えなければならない」というものがある。繰り返しだが、AIの世界は非常に進化が速い。一方で、従来の自動車業界では特に安全性を重視する観点から実装に慎重になりがちだ。メーカーだけでなく自動車のユーザーも「完全コンピュータ制御による自動運転をどこまで信用できるのか?」という疑問を間違いなくもっている。

 この疑問について、ルイCTOは自身の考察も踏まえて以下のように説明する。

 あなた(筆者)が日本から来た記者ということを踏まえていうが、ぜひ日本の偉大な自動車メーカーの方々に向けても、この話題を取り上げてほしいと思っている。 今回のTech Worldの基調講演において、NVIDIAのジェンスン・ファンCEOも触れたと思うが、自動車の自動運転は、実際にはロボットの自動運転と非常に似ているということだ。これは事実であり、第2世代の自動運転アルゴリズムも同様だ。 E2E FSDが実現できたのはつい最近で、歴史上初のことだったが、ロボットと自動運転の両方には、統一されたフレームワークが存在している。つまり、自動運転車は全て「動くロボット」と見なしてもいい。 しかし、あなたが抱くような懸念ももっともであり、(自動運転における)信頼性と信用性は非常に重要≫だ。Lenovoのシステムを紹介すると、サイバーセキュリティ面では、最高峰である「レベルD」を達成しており、ISOの定める基準も満たしている。これは私たちのみならず、NVIDIAとの強力で実現したものでもある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください