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上意下達文化からの脱却 危機的状況のパナソニックを打開するために楠見グループCEOが掲げる「啓」から「更」

ITmedia PC USER / 2025年1月8日 10時5分

 パソナニックグループは上意下達の文化が浸透し、現場の人たちは言われたことをやるのが当たり前となり、自ら改善したり、自分で物事を考えたりすることが減ったりし、言われたことをやるのが仕事という大きな誤解が生まれるという悪循環につながっていたのです。

 自主責任経営がパナソニックグループの経営の根幹であり、その文化を取り戻さなくてはならなりません。現場の社員が知恵を出し、創意工夫によって改善し、その成果が利益で積み上がり、過去最高益を更新するといった会社に変えていきたいと思っています。

―― この1年で、「UNLOCK」はどれぐらいできましたか。

楠見 組織によって温度差があります。例えば、冷凍冷蔵ショーケースなどの事業を行うパナソニックのコールドチェーンソリューションズ社は、少し前までは業績が悪化し、新たな投資ができない状況にあり、組織にも閉塞感がありました。

 しかし、経営層が中心となって働き掛けを行い、1つ1つをUNLOCKして社員が努力をした結果、業績が改善し、戦略的な商品も投入できるようになりました。UNLOCKすることを大切にし、それを実践している組織は業績があがるということを、コールドチェーンソリューションズ社が証明してくれたといえます。

 しかし、パナソニックグループ全体を見ると、まだ成長に転じることができていません。変化を恐れ、現状に甘んじ、DXで遅れをとり、働き方の改革もいまだに途上にあるというのが実態です。グローバル競争でトップに返り咲くためには、2025年もUNLOCKを加速し、今までのやり方を根本的に変えなければならないと思っています。

●シナジーの創出で「危機的状況」にあるグループを変える

―― 一方で、2025年の一字は何でしょうか。

楠見 2025年の一字は、「更(こう)」としました。この文字には、「今までのものを新しく良いものに変える」、あるいは「引き締める」という意味があります。グループが成長基調であった頃は、一人ひとりが緊張感を持って「競合の誰にも負けない」、あるいは「お客さまのお役に立ちたい」との強い思いで挑戦を重ねてきました。

 それこそが、パナソニックグループ共通の行動指針である「Panasonic Leadership Principles」(PLP)で掲げた「日に新たに挑む」の実践です。

 しかし、現状はどうでしょうか。競合に負けていても利益が出ているからと安心していないか、現状のやり方に疑問を持たず、それを維持し、進化させることを怠ってはいないか。そうした状況に甘んじている間に、競合は進化します。未来の世代にこの会社を託すためにも、競争に勝ち続け、成長するグループに変わらなければなりません。

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