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AIの時代だからこそプライバシー問題を強く意識しよう パーソナルコンピュータ誕生の背景から今に至る歩み

ITmedia PC USER / 2025年1月31日 6時5分

 マルウェアなどを通して、個人の情報を抜き出すといったことが可能になり始めたのだ。

 ただ、それ以上に大きなターニングポイントとなったのは、2003年に登場したGoogleのAdSenseだと筆者は感じている。2001年、GoogleがNECビッグローブやNTT東日本から支援を受け、2人の創業者が初めて来日した際に筆者はラリー・ペイジ氏をインタビューしているが、その際、彼は「Googleの収益モデルはまだ決まっていない。広告は1つの案ではあるが、それだけに依存したくない」と語っていた。

 しかし、その後、Webページに表示されている内容によって表示内容が切り替わるAdSenseが登場すると、これが大成功を収める。結局、Googleは広告収入を主軸とした企業として株式公開を行って大成功を収める。

 すると、その後のITベンチャーのほとんどが最初からこの広告収入モデルを基盤とし、広告に向けた最適化に力を入れるようになった。

 他社の広告サービスも含め、今、Webブラウジングをしている個人をいかに追跡して家族構成や経済状態や資産、車の所持や保険加入の有無、通院歴、普段どんなWebページを見ていて、どんなものを購入しているかなどあらゆる情報を監視して、それに合わせて最適な広告を表示するという流れが一気に強まった。

 Appleも最初は自社のブラウザを持たず、MicrosoftのInternet ExplorerをMacの標準ブラウザとして採用していたが、それでは最新のブラウザ機能が利用できないと言った問題に加え、Macの利用者のプライバシーを保護できないといった課題もあり、オープンソースプロジェクトとして独自のブラウザの開発を開始した。

 ポップアップ広告のブロック機能などを備えた「Safari」として2003年に発表。2005年に登場したバージョン2では、業界初となるプライベートブラウジングやペアレンタルコントロールといった、利用者や児童を保護する姿勢をより強く打ち出し始めた。

●我々は既にプライバシー問題のディストピアに足を踏み入れている

 現在、IT業界で大きな力を持つ検索サービスやソーシャルメディアのサービス、そしてECのサービスは、いずれも多くの個人情報を得ることで、表示する広告やお勧めする商品を最適化して利益を増大できるビジネスモデルになっており、いずれも実際にそうした個人の監視を行ってきた過去がある。

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