[山田厚俊]【先の見えない野党再編、民主解党が鍵】~左系を除いた“保守新党”に期待~
Japan In-depth / 2015年9月10日 7時0分
維新の党分裂騒動を機に、野党再編への機運が一気に高まっている。野党第1党の民主党からすれば、分裂した非大阪系の維新を呑み込み、勢力拡大を図りたい思いもあるようだが、民意は民主に対して「ノー」を突き付けている限り、もはや“吸収合併”はムリだと理解すべきだろう。
そんな中9月1日、大阪府連幹事長の樽床伸二元総務相が岡田克也代表に解党を要請。続く3日、岸本周平衆院議員が岡田代表に解党を求める要望書を手渡した。この要望書には3回以下の同僚議員6人が名を連ねていた。
これだけ支持率が下がっている中で勝ち続けている民主党議員には「自分は選挙に強い」という自負があり、党の資金も考えれば「あえてババを引いてカネをドブに捨てるようなことはしなくていい」(ある民主党関係者)との思いがある。ましてや、維新の松野頼久代表をはじめとした、“民主離脱組”への不信感は未だ根強い。
そこで、まずは自分たちの生き残りだけを粛々とやっておき、自民党がずっこけたら改めて自分たちの時代が来るという、極めて後ろ向きの思考なのだ。
しかし、「一強他弱」と呼ばれる現在の永田町は、野党が存在しないと同義の状況。一度、古い器を壊して、新しい船出を必要としている時だといっていい。
元みんなの党の地方議員の一人はこう語る。
「維新が分裂して、民主も解党すれば、ある程度の新しい野党が出来るのは間違いない。たとえば、民主を除籍となった浅尾慶一郎氏も合流できる。いわゆる左系を除いた保守新党の創出の可能性が広がるんです。しかし、民主党の看板がある限り、それは不可能。国民の支持がない政党なんですから、さっさと解党すればいいと思います」
同様のことは、小沢一郎氏が代表を務める「生活の党と山本太郎となかまたち」にも言えるだろう。小沢アレルギーが強い現在の民主では、野党再編は所詮ムリ。少数野党や無所属議員も交え、早く新しい器作りに着手することが望まれている。
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