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【大予測:メディア(新聞)】伝統メディアが反転攻勢に

Japan In-depth / 2017年1月4日 21時21分

その朝日新聞がデジタルコンテンツで一気に名を挙げたのは何といっても2014年2月の「ラストダンス」だろう。ソチオリンピックフィギュアスケート女子フリーに出場した浅田真央選手の演技を、記事と写真で美しく表現、読者の目を奪った。そしてその年5月、朝日新聞は、東日本大震災発生時の東京電力福島第一原子力発電所所長、吉田昌郎氏が政府事故調の調べに対して答えた「聴取結果書」を入手したとして、デジタルコンテンツとして公開した。それが「吉田調書」―福島原発事故吉田昌朗所長が語ったものーである。2014年5月20日朝刊に載った、2011年3月15日朝、福島第一原子力発電所にいた所員の9割にあたる約650人が吉田所長の待機命令に違反し、福島第二原子力発電所へ撤退していた、とのスクープ報道だ。朝日新聞デジタルでは前日19日の午後6時にツイッターで「特報 吉田調書を朝日新聞が入手しました。明日の朝刊で詳報します」と伝えるなど(「福島原発事故・吉田調書」報道に関する見解  2014年11月12日 朝日新聞社報道と人権委員会 による)、まさにデジタルジャーナリズムのお手本のような展開に驚いた記憶がある。結果は誤報だったのだが。

その後、朝日新聞のデジタルジャーナリズムは後退してしまった感をぬぐえない。現在の朝日新聞デジタルのトップページを見ても日経同様、トップバナーの2行目に「朝デジスペシャル」という項目がひっそりとあるだけだ。開いてみよう。トップは「わさび 日本のフレーバー」だ。(2017年1月3日22時時点)いや、食べ物が悪いと言っているわけではない。食べ物とかペットとか旅とかは最強コンテンツだ。「日本原産の薬味として世界に通じる食材となったわさびに光をあて、食生活に与えた影響やその魅力に迫る。」とコンテンツトップページにあるようにわさびを徹底的に知り尽そう、という心意気や良し、だ。静止画も動画もあり、明らかにお金をかけているコンテンツであることは一目瞭然だ。

その下には、「いきもの目線」だ。小型ビデオカメラで撮影した生物目線の半天球360度パノラマ動画が目白押しだ。カクレクマノミ(映画「ファインディング・ニモ」に登場する海水魚)に始まり、カピパラ、アリゲーターガー(世界最大級の淡水魚)、ボリビアリスザル、と続く。定番の動物ネタだ。

しかし、もう少しジャーナリスティックなものはないのか?とよく見てみると、あったあった、軟(やわ)ネタの中に混じって硬派なコンテンツもあるではないか。まずは、「特集熊本地震」。その中には復興の足取りを追った「熊本地震6か月 復興どこまで」や3Dマップでリアルに被害の状況をビジュアル化した「阿蘇大橋周辺の被害地図」などは、自然災害の脅威を知らしめるため、また、災害が起きた事を風化させないために重要なコンテンツである。

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