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【大予測:メディア(新聞)】伝統メディアが反転攻勢に

Japan In-depth / 2017年1月4日 21時21分

その他、戦後の歩みを「交通」「読書」「食」「バブル経済」「憲法」などのテーマで振り返る、「Since 1945」や、「太平洋戦争」「新幹線と交通」「昭和天皇の生涯」「夏季五輪」を年表形式でまとめた「ビジュアル年表」などがある。他紙と比べ、コンテンツが硬軟ごちゃまぜになってない分、読者に対する訴求力は高いと感じる。ただいかんせん後発であることと、コンテンツ制作力の差からまだ中身が十分でないきらいはある。今後のコンテンツの充実が待たれる。

そして、最後は産経新聞だ。実は産経は一番デジタル化への取り組みが早かった。2005年にデジタル事業を分社化し、産経デジタルを設立。2007年にMSNと提携し、「MSN産経ニュース」を開始し、iPhoneが発売された2008年には、紙面ビューワー型のアプリ「産経新聞アプリ」をリリースした。そして満を持して2016年12月に定期購読モデルの「産経電子版」をリリースすると同時に、産経ニュース、SANSPO.COM、zakzak、SankeiBiz、iRONNAの5サイトの記事を集めた無料ニュースアプリ「産経プラス」もリリースした。特に電子版の購読料は他紙と比べ半額以下の月額1,800円に設定した。キャンペーン期間中(2016年12月1日~2017年1月31日)は2017年2月末まで月100円(税別)となっている。

今後のデジタル戦略について、産経新聞デジタルCEOの鳥居洋介氏は、『「紙のビジネスをデジタル化する」というのは完全に終わったと思います。これからは、「デジタルで生まれたものを、どうデジタルで進化させてくか」が大事で、そう発想しないと、革新的なサービスは生まれないのではないでしょうか。』と述べている。(「紙のビジネスをデジタル化する時代は終わった」DIGIDAY 2016年12月26日)一方で、鳥居氏は「広告モデルで収益を伸ばしていくことは可能と考えます。ネット広告は、市場規模が伸びています。バナーは売れなくなってきましたが、その代わり動画広告、スポンサードコンテンツなど、手間はかかるが付加価値の高い広告手法や、あるいは、プログマティックによるリアルタイムな自動取引など、広告の売買手法についてはまだまだできることはあります。」と述べている。デジタル時代における新聞のビジネスモデルの方向性はどの社も同じだろう。

そうした中で、日経、朝日に比べ記者の数も少ない産経新聞はどう戦っていくのか?体力勝負では負けるので、ゲリラ戦法でいくしかない。同紙には他に例を見ないウェブオピニオンサイト「iRONNA」がある。雑誌の編集者や不肖この安倍などがテーマを出し、それに沿ったジャーナリストや有識者の記事を掲載するものだ。新聞紙面ではかなわなかった、多様な分析・洞察・提言などがテーマごとに見ることが出来るのは画期的だ。

伝統メディアには豊富な人材と記事アーカイブがある。それらを駆使し、従来の枠にとらわれない「見せ方」を生み出せば、勝機は十分にある。情報が溢れかえっている今、人々が求めているのは「何が真実か」であり、「自分の頭で考える材料」なのだ。2017年は、新聞が本来の役割に立ち返り、ニューメディアに対して反転攻勢をかける年になると予測しよう。

(注1) インフォグラフィックス (Infographics) 情報やデータを視覚的に表現する手法。ニュースにおいては、読者の理解を深めるために、統計をシンプルな図表にしたり、写真や動画などを使用したりすることを言う。

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