存在感示す「都民ファーストの会」
Japan In-depth / 2017年3月24日 11時0分
一方、今後、都議選に向け、都議会自民党からの離党者が増えると思うか、との質問に対しては、「報道されているほど会派ごとに衝突しているわけではない」とし、百条委員会のメンバーが変わったことに言及しつつも、自民党は既存の支持基盤で戦おうと考えているのではないか、と述べるにとどまった。
また安倍編集長は、「都知事選というのは大きな変化を起こすことが難しい選挙構造になっているとベテランの政治評論家から聞いたことがあるが、小池氏は易々と都知事になり、千代田区長選で小池知事が支持した現職が自民・公明推薦候補にトリプルスコアで勝利した」とその止まらぬ勢いを指摘。これに対し上田氏は、「小池氏の考えが自民党支持の良識派の保守層に響いた結果なのではないか」と分析した。
また安倍編集長が、「小池旋風は加速することはあっても弱まることはないと見ている」とし、「小池旋風はそんなに長く続かないといった意見に対して、有権者を甘くみているのではないか」と語ると、上田氏も、「小池都知事の初登庁の際、自民党が出迎えなかったのは空気が読めていない証拠。今ようやく 目が覚めたのではないか」と述べた。安倍編集長は「今回の都議選では、これまで選挙に関心を持っていなかった人の票や浮動票が集まり、投票率があがるのではないか」と指摘した。上田氏も、「国会議員はテレビで見る、区議会議員は地元でみる、 都議は中二階で関心も払われず、ブラックボックスをつくり、『都議会のドン』が力を吸収していくことがおきていたが、小池劇場ということでオープンにすることで都民の関心が高まっている」と分析した。
■注目の子育て政策
小池氏の政策の中でも注目は子育て政策。待機児童問題解消のために思い切って1100億円以上の予算配分となっている。自身の長男が待機児童になったことをきっかけに区議会議員になった上田氏は、小池知事によって待機児童対策の予算が大幅増額されただけでなく、区市町村からの意見を取り入れ、土地を出す、コンシェルジュを作る、クオリティ保持のため見回りを拡充するなど画期的なアイデアが盛り込まれていることに感動したと高く評価した。
一方、安倍編集長は、 女性の社会進出が進むほど、待機児童問題も増えていき、予算が際限なく必要になるというジレンマを指摘。これに対し上田氏は、「女性が就労をやめると逆に税金をかける人になる。保育園もそのときそのときはなくなるが、女性が働き続けると納税をしていくわけで生涯年収が1億超、2億と違ってくると、一人が納税する額つまり生涯納税額が変わってくる。それを勘案せず、目先のコストばかりを議論するのではなく、試算すると生涯をかけて女性は働いて保育園にお世話になったのを返していっているので、私はここは思い切ってかけてもいいかなと考えている」とした。
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