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災害派遣に不向き「AAV7」

Japan In-depth / 2017年7月28日 9時42分

自衛官は赤や黄色いタイツを履いて暴れ回る不死身のスーパーヒーローではない。普通の人間だ。一定のパフォーマンスを隊員に求めるならば、最高のコンディションを整えるべきだ。冬場の東北地方で暖かい飯も喰わずに、入浴もできず、長時間過酷な作業を強要するのは犯罪的ですらある。これは歴代の陸自首脳、幕僚監部の無能・無策の証である。不思議なことにリベラルなメディアすらもこういう視点で報道せず、日の丸を振るような、無邪気な自衛隊礼賛記事を書いている。


自衛隊の医官の充足率が以上に低いことをご存じだろうか。部隊の医官の充足率は約2割に過ぎない。これは防衛省のウエッブサイトでも述べられている数字だ。しかも一人の医官が複数の駐屯地を掛け持ちしているケースもあり、実態の充足率は更に低い。海自でも医官が搭乗していない護衛艦が極めて多い。また医官がおらず、薬剤官(薬剤師)が薬を隊員に渡している駐屯地や基地も多い。しかも薬剤官が処方すると薬事法違反になるので、コンビニなどで、売っている売薬を渡しているという有様だ。これで有事の戦傷医療に対処できるわけもない。このような医官の不足で災害派遣において十分な医官を派遣できているのだろうか。


防衛省はやたらに戦闘用装備が災害派遣にも役経つとアピールするが、非常に言い訳がましいし、余計胡散臭くなる。確かに災害派遣も自衛隊の立派な任務である。だが必要なのは戦闘に有用であるかどうかが、第一であり、災害派遣、民生協力に役に立つというのは二次的である。そうであれば、本来の戦闘任務に支障がない程度で、一定の災害での使用を想定した仕様を盛り込めばいい。併用が無理ならばそれぞれ別個に調達すべきだ。実際自衛隊では災害派遣専用の装備も調達している。あたかも一つの装備が万能であるかのように宣伝するのは控えるべきだ。


災害派遣にも使えるということを言い訳に、本来の戦闘で使えないものを調達するべきではない。AAV7に関して言えばこれまで述べたように災害派遣にも本来の戦闘任務にも向いておらず、まともに考えれば調達の候補から落ちていただろう。



画像⑧:野外炊具1号 ©清谷信一


本来の目的にすら役に立たない装備をリサーチもせずに、多額の予算をつけて調達することは、その年度だけで終わらない。更に延々とその高い維持費を払うことになる。これは単なる税金の無駄である。のみならず自衛隊を自ら弱体化させることになる。限られた予算は本来の戦闘と災害救助に適したバランスをとった、コストパフォーマンスの高い装備の調達を行うべきである。



【訂正】 2017年8月2日08:40
以下訂正
1タイトル
訂正前:災害派遣に不向き「レッドサラマンダー」
訂正後:災害派遣に不向き「AAV7」
2まとめ
訂正前:・水陸両用車通称「レッドサラマンダー」は災害派遣に不向き。
訂正後:・水陸両用装甲車、通称「AAV7」は災害派遣に不向き。
3トップ画像
訂正前:全地形対応車「レッドサラマンダー」の写真
訂正後:AAV7の写真

タイトル、まとめで誤りがあり、愛知県岡崎市消防本部様にご迷惑をおかけしました。ここにお詫びして訂正いたします。(Japan In-depth編集部)


 


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